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ゴーストリイ・フォークロア 17世紀~20世紀初頭の英国怪異譚

ゴーストリイ・フォークロア 17世紀~20世紀初頭の英国怪異譚

ゴーストリイ・フォークロア 17世紀~20世紀初頭の英国怪異譚

作家
南條竹則
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-01-07
ISBN
9784041083260
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ゴーストリイ・フォークロア 17世紀~20世紀初頭の英国怪異譚 / 感想・レビュー

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榊原 香織

あ、南條センセの本だ  ケルトの民話っぽいのやバラッドの幽霊譚。コールリッジの有名バラッド”老水夫行”は内容知れてよかった。 センセが贔屓にしてた渋谷の台湾料理店”麗郷”て、今もあるんだろうか

2021/07/11

HANA

名翻訳家が17~20世紀の怪異譚、それもフォークロアの名に違わず民間伝承やバラッドといった巷説を中心としたものを嬉々として紹介した一冊。こういう紹介は著者の対象に対する距離で面白さが変わってくるのだが、本書は著者の怪談愛が感じられてこちらも大満足。内容も鬼火や魔法使い、少女の幽霊といった民間に伝わるものからファム・ファタルやどう見ても強迫神経症「木にさわる男」知識人の怪異譚収集本まで多岐に渡っている。表紙からインクの色に至るまで瀟洒なデザインで英国の幽霊や怪奇に触れるのは、やはり至福のひと時であったなあ。

2020/08/18

イトノコ

17〜20世紀の英国で語られていた怪異譚を紹介。内容としては吟遊詩人が伝えたバラッド、口碑伝承をまとめた当時の発行物、そして「失楽園」の一部など多彩。出だしこそ入り込めず読み進めるのに苦労したが、中盤の口碑伝承に差し掛かってからは興味深く読めた。例えば屍蠟燭(人の死の前兆として現れる人魂)の話など、固有名詞を和風に変えればそのまま本邦の「遠野物語」に収録できそうではないか。そうした怪異譚に洋の東西はない、のかもしれない。あとは当時の聖職者が無神論者を論破するために怪異譚を集めていたというのも興味深い。

2020/07/19

evifrei

怪談集。今は終刊となった雑誌『幽』で掲載されていたらしい。英国といえば怪奇小説の中心地であるが、本書は洗練された怪奇小説となる以前の英国に口伝で伝わるフォークロアを紹介する。英国人も日本人と同じくお化け好きが多いのか、日本の怪談と少し似た雰囲気のものもある。しかし、英国にあって日本に無いものがバラッドや魔女・マッケンの描く様な妖魔の森であろう。これらは日本の怪談と纏う空気感からして異なっている様に思う。個人的には少しアンニュイな雰囲気の『海と魔法』と、何処と無く牧歌的な『屍蝋燭』や人魂の話がお気に入りだ。

2020/06/09

rinakko

大好きのツボに溢れている、装幀も素晴らしくておとっときな一冊になった。様々なイギリスの幽的民譚(と、その関連本)が紹介されていく中、うわっ…と思わず声が出たのはジェイムズ・ブランチ・キャベルの「コリンナについて」。『ジャーゲン』の作者の短篇が読めて、しかも登場人物がサー・トマス・ブラウンて、ててて…。他にも、尾崎翠「こおろぎ嬢」からフィオナ・マクラウドへの流れ、意外なところに『ヴァテック』の作者ウィリアム・ベックフォードの姿…などなどでこりゃ堪らん…と。バラッドを堪能出来たのも嬉しいし、語り口にも痺れた。

2020/02/04

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