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天上の葦 下 (角川文庫)

天上の葦 下 (角川文庫)

天上の葦 下 (角川文庫)

作家
太田愛
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-11-21
ISBN
9784041084151
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天上の葦 下 (角川文庫) / 感想・レビュー

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イアン

★★★★★★★★★★巨悪との対立軸が明確となる下巻。正光の過去を知る人物「白狐」の手掛かりを求めて辿り着いた瀬戸内海の離島で、鑓水らは島民がひた隠しにする〝何か〟の存在を確信する。あの日、この島で何が起きたのか。『犯罪者』では企業の利益主義を、『幻夏』では冤罪を生む司法の闇を描いていたが、本作では権力とジャーナリズムのあり方を深く考えさせられた。戦時中はマスコミが屈した言論統制の壁に、現代ならではのツールを駆使して対抗する鑓水らに関心するとともに、この作品をタブー度外視で描き切った著者にも敬意を表したい。

2021/12/10

MF

この文庫化と時を同じくしてこんなニュースが流れました。この小説での登場人物と同じような思いをしてきた方々が現実にいたことを改めて思い出させてくれる、あるいは現実からの最後の警告かもしれないと感じました。<元特攻90代兄弟最後の証言、時代に迎合を悔恨「なぜ死ぬ覚悟で戦争に反対しなかったか」>https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=voice&id=5874341

2019/11/23

のり

元・産科医の「正光」と「白狐」の関係が明らかになるにつれていたたまれなくなる。第二次世界大戦での苦悩は当事者でなければわからない。いくら時が経とうとも憤り、無念さが消えることはない。メディアや新聞の犠牲。国家権力の横暴。再び起こる圧力。「鑓水」達が知恵を絞り、何者にも屈しない姿勢に感服。子供達が自由に生きる世の中が最低限願うことだ。

2020/09/23

やっちゃん

終盤すんなりいきそうなところ敵もさるもの最後までハラハラさせてくれる。戦時下の回想が特によかった。最後のエピソードには震えたし、そこに至る緻密なプロットはもちろん、社会派ミステリとしても深く刺さる素晴らしい一冊だった。

2023/01/23

ごみごみ

登場人物が多く、なかなか接点が掴めず、どんどん話が複雑になっていく。権力と報道の在り方。そして未来への警鐘。壮大なテーマと膨大なページ数を、スリリングにしかもユーモアも交えて先へ先へ読ませる筆力が素晴らしい。3人の活躍は相変わらずだが、特に今作は鑓水がかっこよかった!「やるか、やられるかです」・・ラストで、冒頭の老人の奇妙な行動の謎が明らかに!感動&圧巻だった。時間がある時にじっくり読むのがオススメ。

2020/02/29

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