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赤い部屋異聞

赤い部屋異聞

赤い部屋異聞

作家
法月綸太郎
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-12-04
ISBN
9784041088302
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「赤い部屋異聞」のおすすめレビュー

作家・法月綸太郎が、偏愛する東西の名作9篇に捧ぐ、オマージュ連作短編集『赤い部屋異聞』

『赤い部屋異聞』(法月綸太郎/KADOKAWA)

 心がザワついて眠れない夜は、身の毛のよだつようなミステリーを読みたい。恐ろしさに眠れなくなってしまうのは百も承知。だが、深まっていく夜の中で、物語のおどろおどろしさを味わい尽くしたいのだ。

 特に、この真っ赤な書影の本は、夜に読むのにふさわしい一冊だったように思う。本の世界にはあっと言う間に飲み込まれ、気づいたら、外が明るくなるまで呆然としてしまった。この本とは、法月綸太郎氏の『赤い部屋異聞』(KADOKAWA)。江戸川乱歩や都筑道夫、コーネル・ウールリッチなど古今東西の名作9編をオマージュして描いた連作短編集だ。この本の中には、クラシックな怪談めいた作品もあれば、SFっぽい作品もあり、一口にミステリーと言っても、一冊で様々な味わいが感じられる。短編だから途中で読む手を止めても良いのだが、どんどん次の作品が読みたくなる。ミステリーやホラー小説が好きな人は必読の本と言って過言ではないだろう。

 表題作「赤い部屋異聞」は、その名の通り、江戸川乱歩の『赤い部屋』をモチーフにした作品だ。舞台は、日常に退屈した…

2019/12/23

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赤い部屋異聞 / 感想・レビュー

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starbro

法月 綸太郎は、新作中心に読んでいる作家です。装幀も雰囲気があり、著者が偏愛する古今東西の名作オマージュ連作短編集の佳作でした。オススメは、江戸川 乱歩『赤い部屋』のオマージュで表題作の『赤い部屋異聞』&『まよい猫』&『葬式がえり』の3本です。著者の『裁断されたあとがき』もGOODでした。

2020/01/26

buchipanda3

乱歩など古今東西の名作ミステリのオマージュ短編集。元ネタへの敬意を十分に感じさせる作り込みで、実に多彩なミステリの味をふんだんに楽しめた。著者がセレクトしただけあって、どれもひとクセもふたクセもあるものばかり。こんなミステリもあるんだと発想に思わず感服させられ、ミステリを読む楽しさを改めて感じた。さらに各篇ごとに著者の濃い解説が付き、元を読みたくなることしきり。「砂時計の伝言」「続・夢判断」「葬式がえり」「だまし舟」「迷探偵誕生」あたりがお気に入り。著者のミステリ愛が伝わってくる作品だった。

2019/12/07

aquamarine

オマージュ短編集。海外の名作へのオマージュも多く、元作品を知らないものが多かったのですが、元作品の内容がわかるようにうまく取り込んでいて、なおかつ元作品以上の読み応えと落ちを用意しているのがしっかりと伝わってきました。短いものが多いのですが、本格なものもホラー寄りのものもどれもとても良かった。細断されたあとがきもこのコンセプトにぴったりだと思います。一番衝撃を受けたのは「最後の一撃」これはそのテーマのアンソロに載っているよりも、こちらで単独で読めて良かったです。他に好みなのは「砂時計の伝言」「だまし舟」

2020/01/13

cinos

ミステリオマージュ短編集。「赤い部屋」のオマージュで始まったので、メジャー級の作品が選ばれるかと思ったら、意外と異色作家の作品から選ばれているのが意外でした。「最後の一撃」がクレイグ・ライスの読んだやつだとすぐわかったけど、最後の一行で決まるのがよかったです。作品ごとにあとがきがついていてそれはまた楽しかったです。

2020/01/25

さっこ

名作へのオマージュ短編集。元になった名作は知らないものも多かったけど、関係なく楽しめました。ホラー風味もあったり、最後にしっかりしたオチがあったり面白かかったです。前半の作品の方が特に良かったです。

2020/10/11

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