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あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 (角川文庫)

あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 (角川文庫)

あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 (角川文庫)

作家
宮部みゆき
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-06-12
ISBN
9784041089811
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あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 (角川文庫) / 感想・レビュー

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rico

人の願いの毒とそれを食らうもののおぞましさ。幼くして逝った若君の魂との交流、悪しきものとそれを封じる人々、読んではいけない本を読んだ者の宿命、愛らしい猫に隠された切ない事情。相変わらず粒ぞろいの三島屋シリーズ。ですが今回は何と言ってもこれに尽きる。「おちかちゃん、おめでとう!」黒白の間で語って語り捨てられ聞いて聞き捨てられた、怪しきものたちと人々の物語は、多くの縁をつなぎ、凝っていたおちかの心をほぐし、自ら歩き始める力となりました。引き継いだ富次郎さんはどんな聞き手になるのか、どう変わるのか、楽しみです。

2021/01/13

よむヨム@book

★★★★☆ 星4つ この本では、瓢箪古堂の若旦那勘一さんが語られる話が、心に残った。 この原本が、未来のことが書かれている予言本であれば、栫井様がこの仕事を断れば、娘の花枝ちゃんの将来の目処がつかず、悔やみながら死んだかもしれない。 受ければ、百両で借金の返済ができ、三年の間に娘の道筋を付けられるかも知れない。 また、予言本でなければ、この依頼が無く、仕官もできず、借金を返済できず、娘の幸せは見えない。 栫井様の気持ちを思うと読んでいてすごく切ない気持ちになり、この結末が幸せなのだろうと思う。

2022/01/26

タツ フカガワ

中編5話のシリーズ5作目。好きなのは、“もんも(化け物)声”をもって生まれた女性が語る数奇な半生の「だんまり姫」。一国様が「暗獣」のくろすけと重なる心温まる一編でした。また文庫カバーでおちかが花嫁姿に。そうなるきっかけの一つが、表題作で語られる不気味な本の話で、以後は富次郎が黒白の間の聞き役になるのかしらん。次作が気になります。

2020/08/18

酔拳

辛く悲しい想いをした、おちかが、おじさんの家に住まわせてもらって、おじさんの粋狂で怖い話がある人を招いて、三島屋で語ってもらおう、そして、聞き役をおちかがすればいい、ということになり、四の続まで、22話が語られてきました。本作でも、あやかしの話が5話語られます。今回も怖い話が揃っていて怖かったです。そして、おちかが、本作中で、結婚が決まり、嫁に行くことになってしまいました。どうなるかと思いきや、一緒に聞き役をしていた、いとこの富次郎があとを継ぐそうです。あと99話まで、まだまだあるので、後が楽しみです。

2022/03/04

ふう

聞き手が二人になり、「聞き捨て」に「絵」が加わって、おちかの胸に重く沈んでいた悲しみが少しずつ和らいできたようです。その結果が表紙の幸せな姿。でも、幸せになろうと決心させたものの中に、百物語で聞いたあやかしの結末を見届けたいという気持ちがあったことが、いかにも百物語という感じですね。もんも声でも痘痕でも、心根さえまっすぐなら人は幸せに生きていけます。人を恨んだり憎んだりすることは、何より自分の心を傷つけるのだと、どの語りも教えてくれます。それでも世の中は魑魅魍魎。次のシリーズで富次郎は何に出会うのでしょう

2020/07/24

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