KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

半逆光

半逆光

半逆光

作家
谷村志穂
出版社
KADOKAWA
発売日
2021-03-26
ISBN
9784041092804
amazonで購入する Kindle版を購入する

半逆光 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

いつでも母さん

絶対にバレない。死んでもバレない不実な噓なら仕方ない。私にとって噓や不倫はそんな感じ。不倫小説を読む時、誰に気持ちが乗り移るかで読後感は違ってくる。今回は妻・香菜子にも不倫相手の玲李にも、勿論夫・儿にも心は揺れない。8年も続いた夫の不倫を古いPCのメールで知る香菜子。おまけに小説化していた一部始終を今更と笑って過ごせるだろうか?ただ愛したというだけでそれからの日々を、堕胎し乱れる心を維持していけただろうか?それぞれの修羅が見事だが、今じゃないだろ二人とも。香菜子に向けた小説は悪趣味だと思う。

2021/04/22

おしゃべりメガネ

道産子作家谷村さんの大本命不倫小説。ボリュームもさほどなく、さすがは谷村さんの作風なので、サラサラと読みやすかったです。息子の就職を機にまた夫と二人生活が再開した妻「香菜子」は片付けをしていたら、ふと1台の古いパソコンを見つけ、興味本位で起動した際に見つけたメールのやりとりには自分の知らない内容が書かれていました。21年前の夫と、とある女性との濃密なやりとりにただ事ではないコトを察する妻。そんな夫の相手と思われる女性は一冊の'不倫小説の最高傑作'を出版していました。二人の女性の視点が秀逸な作品でした。

2022/11/27

モルク

就職を機に家を出た次男の部屋を片付けていた香奈子は、夫の古いパソコンを見つける。開いてみると、そこには夫儿が若い女とやりとりしている21年間に渡るメールが。そして相手の女玲季は、ふたりの10年以上に渡る関係を赤裸々に描いた私小説を出版していた。その本を手にいれた香奈子は…。知らなくていいこと、知りたくなかったこと、それを見つけてしまったときの香奈子の衝撃。さらに相手の女が描く性描写と、夫が自分には見せない顔…妻の衝撃がよくわかる。この上玲季は何を書くというのか。儿に天罰がくだる結末ならよかったのに。

2021/06/03

よつば🍀

不愉快。読みながらどんどん気持ちは沈み不快さが増して行く。恋人のスマホを見ても良い事はないと巷で良く見聞きする。本作の主人公、香菜子が見てしまったのはクローゼットの奥にしまわれたPC。その中には夫と愛人の21年以上に渡る濃厚なメールのやり取りが残されていた。不倫を全否定するつもりはないけれど香菜子が二人の息子の子育てに奮闘している最中に愛人との逢瀬を楽しむ夫には嫌悪感しか感じない。不倫に酔ってその一部始終を本にし出版する愛人の行動も理解し難い。人には守るべき最低限のモラルがあるはずだ。読後は不快感Max。

2021/04/12

美紀ちゃん

被写体の斜め後ろから当てる半分だけの逆光は最も美しくて捉えにくい光。生命力が透けて見える。ある時夫のメールを盗み見たことから夫の不倫が発覚。初めは奥さんの目線だったが、後半は不倫相手の女性目線に変わる。美しいストーリーみたいに書いてあるが、男がずるい。本当にずるい。奥さんも、不倫相手の女性もすごく苦しみ続けた。不倫相手の女性はその自分の恋愛を小説にして出版するとか狂気の沙汰だと思う。墓まで持っていってほしい。ハッピーエンド風だが、お互いにモヤモヤはないのか疑問だが、始めから終わりまで先が気になり一気読み。

2021/07/01

感想・レビューをもっと見る