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もっこすの城 熊本築城始末

もっこすの城 熊本築城始末

もっこすの城 熊本築城始末

作家
伊東潤
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-09-30
ISBN
9784041092866
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もっこすの城 熊本築城始末 / 感想・レビュー

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とん大西

人にドラマあり…です。本能寺の変を境に運命が反転した木村藤九郎。父次郎左衛門は自ら普請した安土城で討死。雌伏の時を経て仕えた先は加藤清正。天の配剤か運命か。この出会いがなければ後の熊本城が築かれることはなかったかと思うと感慨深い。亡父が残した秘伝書、藤九郎の柔軟な思考と人当たり、そして清正との水魚の交わり。技官として真摯に城造りまちづくりに取り組む藤九郎。try&error、その青春の息吹は微笑ましい限り。いつの時代も仕事は人を成長させる。それにしても伊東さん、熱い男を描かせたら流石の流石(^.^)

2021/04/17

Willie the Wildcat

職人としての「技」と、ヒトとしての「義」が、父からの遺産。困難の中、私心なく大義を念頭に、愚直に絡まった紐を解く。築城はあくまで手段であり、信頼を勝ち得ていく過程が、コトの本質という気がする。故の表題。父の”枠”を超える決意の瞬間、そして迎えた藤十郎の死が、職人・ヒトとしての成長のためのもれなく転機。主人公が成し遂げた仕事で印象的なのは、蔚山城。その運命は、正に父の教えの根底に繋がる。文字通り最後となった現場での勝鬨。皆からの感謝を込めた祝砲。グッとくる。清正も、カッコよすぎるなぁ。

2021/02/11

のぶ

面白いプロジェクト物の歴史小説だった。戦国ロマンですね。主人公は木村藤九郎という本能寺の変後に自ら築いた安土城を枕に討ち死にした織田信長の家臣、木村忠範の息子。その人物の一代記の物語。肥後への赴任を前に加藤清正の家臣として召し抱えられる。タイトルから分かる通り、熊本城を築城する話だがそれが展開するのは後半で、前半では領内の治水工事や築城や、秀吉の朝鮮出兵で清正とともに朝鮮半島に渡り、頭角を現す。帰国後、熊本城の築城が始まる。城は完成するのか?仕事や研究熱心の男の活躍に胸を打たれた作品だった。

2020/11/11

at-sushi@ナートゥをご存知か?

城取の父が遺した秘伝を継ぎ、加藤清正に仕えることとなった木村藤九郎(架空)が、増え続けるタスク、相次ぐリスケ、人力や資材不足という困難を、熱意と知恵と人望で乗り超え、ついに史上最強、やりすぎ城とも言われる熊本城を築くまでを描く成長譚。熊本城と清正公が大好きな熊本県民的には理想の上司として描かれる清正像がたまらん。近所の地名が頻出するのも嬉しく、熊本県民必読w 熊本地震からはや5年。今月末には復旧した大天守の観覧が再開されますので、感染対策のうえで是非お越しください。(←ステマ)

2021/04/03

さつき

加藤清正に仕えた城取り(築城家)木村藤九郎が主人公。熊本城の美しい石垣がどう作られたか興味がありましたが、そこに至るまでの藤九郎、そしてその主君清正の道のりの険しさに圧倒されました。朝鮮出兵の辛苦は聞き知っても見知らぬ異国で築城する厳しさまでは想像していなかった。どのような意図で、何を想定して巨大城郭が作られたか。興味は尽きないし、その差配をした職人達の人生にも思いを馳せたくなります。

2023/04/25

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