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彼らは世界にはなればなれに立っている

彼らは世界にはなればなれに立っている

彼らは世界にはなればなれに立っている

作家
太田愛
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-10-30
ISBN
9784041095652
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彼らは世界にはなればなれに立っている / 感想・レビュー

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ウッディ

他の土地から移住者を羽虫と蔑み、差別する社会、貧しい者からの搾取と民主主義を放棄したことの報いとして訪れる戦争への歩み、“始まりの町”という架空の世界でのいびつな社会構造は、日本が向かおうとしている暗黒の未来を暗示しているような薄気味悪さがあった。人々がただ笑って暮らせる、そんなささやかな幸せさえ、闘い続けなければ手に入らない。いつもの3人組が織りなすミステリーとは違う太田さんの新境地でしたが、この小説の不思議な世界観は現代社会の闇を不気味にクローズアップしていたような気がしました。

2021/02/21

みっちゃん

この「始まりの町」が辿った運命。寓話のような物語を通して作者が問いかけてくるものから、目を逸らしてはいけない、んだと思う。気がつかないふり、聞こえないふり、見えないふり…その先にあるのは破滅と絶望だ。「面白かった!」と手放しで言うことはできないけれど、真摯に紡がれた物語だ。

2021/03/29

ちょろこ

2021年初読みの一冊。舞台は架空の町。「羽虫」という言葉にいきなり胸を抉られる。排除、差別、世界中の至る国での過去、現在進行形を感じそれぞれの立場でのやるせない感情が胸に突き刺さる。登場人物誰もの口からほとばしる言葉、全力で言葉にのせて伝えてくる思いはその都度足を止めたくなるほど。終盤は圧巻。太田さんの思い、メッセージ、言葉のシャワーが心に降り注ぐよう。遠い昔にあったこと、近い未来にあるかもしれないこと。それが全て次世代にどう繋がっていくのか。これはどこか遠い架空の町というどこか近い現実の世界の物語。

2021/01/03

nobby

あくまで小説にエンタメ要素を強く求める身としては読み切っただけになってしまったのが残念…太田さん新作故に今までと違わぬ大作を期待したことも大きいだろうけど…カタカナで登場の人物達や世紀末漂う世界観で語られるファンタジーになかなか入り込めず苦戦…ようやく羽虫という虐げられた存在が浮き彫りになることで、今作の背景がどこかの平和ボケした国家の数十年前の姿に重ねられていることに思い至る…「狡くて、臆病で、残酷な奴ら」と評される人間の愚かさを見せつけられるのが何とも苦しい…それを憂うより傍観する自分が最も愚鈍だが…

2021/03/04

のぶ

太田さんの新作は、今までと全く違ったダークファンタジーだった。場所や時代の説明は全くない。自分には分かり辛いところも多く、あらすじを書けと言われても難しいのだが、この作品世界を嫌いではない。この物語には「羽虫」と呼ばれる人種が登場し中心的に話を牽引していく。町の住人たちは、他所から来た羽虫を蔑み、公然と差別している。作品の雰囲気は決して陰湿なものではなく、羽虫と呼ばれる人たちも健気に生活しているが、これが現在に投げられた寓話なのだろうか?太田さんには、この話の本質をぜひ聞いてみたいものだ。

2020/12/15

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