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肉弾 (角川文庫)

肉弾 (角川文庫)

肉弾 (角川文庫)

作家
河崎秋子
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-06-12
ISBN
9784041096758
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肉弾 (角川文庫) / 感想・レビュー

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ふじさん

第21回大藪春彦賞受賞作。高校の駅伝での失敗がトラウマとなり自分を見失い大学休学中のキミヤ。彼は、父親の誘いを受け、北海道に鹿狩りに行き、山奥で熊の襲撃を受け、父親は死に、野犬に襲われながらも自分はなんとか逃げ切る。絶望の中で、野犬と心を通わし、生きるために熊と戦うことになる。熊との死闘は、肉弾戦の装いで作者の気魄が描写に見事に出ている。親子の確執、社会的な孤立、人間と動物の共存等、多くのテーマが内包された作品。圧倒的なスケールで人間と動物の生と死を描いた力作。熊との闘いシーンは圧巻の大迫力。

2022/09/17

アッシュ姉

待望の文庫化のはずが、あえなくギブアップ。主人公の性格にイライラ、人間の身勝手さにムカムカ、犬の場面でとうとう耐えきれなくてリタイア。残念。

2020/10/15

goro@80.7

死ぬならお前たちと一緒に闘ってあいつを倒そう。生きるのは生き残ることだ。残酷であろうと生きるためには食わねばならないのだ。弱肉強食は生きるため、人間も動物。河崎秋子面白い。

2023/04/15

Nao Funasoko

コミュニティの最小単位である家族内での己の位置づけに整理がつかない主人公のイニシエーションの物語。 自然界において構成される剥き出しの野生と好むと好まざると野生化してしまった生。そこに半強制的に身を置かれた主人公の内面感情と外面行動の描写に息をのむ。 著者作品初読だった『颶風の王』で骨太な作風に圧倒されたものの力量については正直判断つきかねていた。が、本作を読んで確信した。私はこれからも河崎秋子作品を追い続けると。

2020/07/16

翔亀

【シリーズ森9】北海道の羊飼い作家の第二作。屈斜路カルデラの森が舞台だ。屈斜路湖と摩周湖という二大カルデラ湖を擁する。しかし今回は立入り禁止の広大な森で物語が展開する。大学を中退した引きこもりの青年が、父親の趣味の狩猟に無理やりに連れてこられ、熊との文字どおりの死闘の末、自己を回復する物語。■森に一人取り残され、これまでの無為の人生を振り返っても絶望しかなく自殺を決意するが、肉体の声を聴く。「体は死ぬことを望んでいない。今、発しているこの熱の正体は怒りだ」(p148)。青年の肉体を呼び起こしたのは、野犬↓

2021/02/11

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