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ヘディングはおもに頭で

ヘディングはおもに頭で

ヘディングはおもに頭で

作家
西崎憲
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-10-01
ISBN
9784041097892
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「ヘディングはおもに頭で」のおすすめレビュー

大学受験に2度失敗、双子の弟を失った“普通の青年”が、みずからの人生を見出してゆく青春小説

『ヘディングはおもに頭で』(西崎憲/KADOKAWA)

 なにをすればいいのかはわからないが、自分本来の力が発揮できたなら、今よりもいい生活ができると思う。そうなるような行動さえ起こそうとしない一方で、誰かのあげた功績に、ちょっと妬ましい気分になる。素敵な人との出会いに胸をときめかせ、夢見がちな人を胸中で笑い、どこか特別な存在でありたいと願いながらも、人とは違う人生に踏み出す決意はできずにいる。たいていの人間には、多かれ少なかれ、そういったところがあるのではないか。

 だがこんな“普通の人”は、物語の主人公たりえない。そういう諦めとも悲しみともつかないものが、自分の人生にはつきまとっている──そんな実感があったからこそ、『ヘディングはおもに頭で』(西崎憲/KADOKAWA)の読了後は、胸に迫るものがあった。これは、松永おんという“普通の青年”の物語であるとともに、物語の主人公にはなれないはずの普通の人、つまり“わたし”の物語でもあったからだ。

 松永おんは、大学受験に2度失敗し、アルバイトをしながらひとり暮らしをしている浪人生。半年前から働きはじめた弁…

2020/9/29

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ヘディングはおもに頭で / 感想・レビュー

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みどり虫

図書館の新刊本棚から。主人公のおんは二浪中。弁当屋でアルバイトをしながら独学で3度目の受験を目指している。自分に自信はなく、かと言って暗くもなく、友だちもいるし、誘われてフットサルを始めてみたり読書会に参加してみたりもする。受験のこと、友だちのこと、女の子のこと、そして主にフットサルのこと、頭の中はぐるぐるぐるぐるいろんなことを考えてる。おんの日常を淡々と綴っているだけなのに、おんの頭の中を覗いてるみたいな気分にさせられる文章。だから彼が等身大の自分自身を見つけてゆくラストにほっとした。地味目のアオハル。

2020/11/07

おしゃべりメガネ

最近、よくこちらで見かける作品でタイトルと装丁が気になり、手にとりました。他の方のレビューにも書かれているように特段、何か大きなコトがあるワケではなく、淡々とひたすらフットサルのコトが書かれています。フットサルに興味&関心がない方でも、問題なく読めますから安心です。作風を読んで、作者さんが若い方なのかなと思ってたら、実は結構年上の方なのには驚きました。大学を目指し、受験勉強に勤しむ「おん」のひたすらシンプル?な暮らしぶりが妙にリアルです。読書会のネタも書かれており、作風が好きな作家さんがまた一人登場です。

2020/12/18

ひらちゃん

なんとなく孤独で地味に真面目で。そんな主人公は今どきの若者なのだろう。淡々と考え日々を過ごす。社会にとっては小さな変化でも、彼にとっては一つ一つが成長に繋がっているよう。初めてのフットサル。初めての場所。きっとこんなことを繰り返し人は自分の行く道を見つけて行くんじゃないかな。不安定な場所から一歩を踏み出せたようで好感が持てた。

2020/11/17

ユザキ部長

地味に性格悪いやつが多いな。悪いなら徹底的に悪くあって欲しい。かといって主人公も何だか煮え切らなく中途半端な印象。期待はずれで残念。

2021/01/16

ワッピー

地味な2浪生・松永おんのフットサル・サーガ。同級生たちが着実に歩みを進める中、停滞している自分に焦るおんはフットサルのスクールに通うことで、扉が開いていく。初心者いじめをやり過ごし、しぶとく練習を続けるおんの経験値向上、出会いと別れ、そして就職の決断。人に追随していたモブ感あふれるおんが「世界は自分のゲームだ」と悟るまでに淡々と流れていく時間の愛おしさと、未来へ踏み出す高揚感にやられました。そんなおんが読書会に参加して、なんとお持ち帰りに…。喪失と回復の静かな物語。ついぞヘディングは出てきませんでしたが。

2020/11/30

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