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人魚呪

人魚呪

人魚呪

作家
神護かずみ
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2012-06-01
ISBN
9784041101896
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人魚呪 / 感想・レビュー

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あも

ざざんっ、むうううう、ざざざざんっ、むうううう…打ち寄せる波の音に耳を遊ばせながら、問わず語りに話される左吉の物語を聞く。魚人と蔑まれ、村人から疎外される漁師の左吉。父が死の間際に語った場所へ船を出すと奇妙な洞窟があり、左吉はそこで人魚と出会う。誰もが知るオーソドックスな人魚伝説をベースにしており、驚くような展開や独自性はないものの丁寧に積み上げられた話。この雰囲気や語り口が合えば楽しめると思う。時代が天正の中頃であり、これまたオーソドックスな魔王イメージであるのが残念ながら織田信長が登場するのが嬉しい。

2017/08/16

らむり

人魚と人間の間に生まれた主人公左吉。彼が、双子の妹の人魚と性交し、その肉を食べてから、人生が一変します。残酷で怖い描写が多いわりに、あっさりしているので、グロさや気持ち悪さをあまり感じませんでした。ストーリーはなかなか面白かったけれど、後半は、不老不死、輪廻転生の話が中心。『人魚』という設定をもうちょっと生かしてれば良かったような。。

2013/04/21

annzuhime

図書館本。漁村の村人から魚人と言われ忌み嫌われる佐吉。死んだ父親の言葉の通りに艪を漕ぎ訪れた場所で出会ったのは美しい人魚。ざざんっむぅぅぅぅ。人魚との邂逅と呪いという帯に惹かれ手に取った。生臭くおぞましい感情が文章に滲み出ていて好きなタイプでした。人魚とのやりとりがもっとあるのかと思っていたら、途中から様子が変わってきた。人魚との話ではなく呪いの話でした。ざざんっむぅぅぅ。私の耳にも波の音がしてきそうだ。遠野物語100周年文学賞。

2023/10/07

なお

人魚の肉を食べたが為に不老不死になったが…死ぬ事の恐怖と死ねぬ事の苦痛。読むほど苦しかった。

2017/11/30

seraphim

図書室の本。遠野物語100周年文学賞受賞作。題材としては、人魚の肉を食べると不老不死になる、というよく有るものだが、とても面白い。物語の世界にぐいぐい惹き込まれてしまった。主人公の左吉の、流されて生きてきた結果が哀れで、それでいてなんとも言えない恐ろしさがある。夏は終わってしまうけれど、一押しのホラー作品です。

2012/09/13

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