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アンブレイカブル

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作家
柳広司
出版社
KADOKAWA
発売日
2021-01-29
ISBN
9784041109410
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アンブレイカブル / 感想・レビュー

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のぶ

柳さんの作品世界を堪能できた短編集だった。本作には4つの話が収められているが、それぞれに作家、小林多喜二。川柳作家、鶴彬。編集者、和田喜太郎。哲学者、三木清の4人が中心になり、どの話にもクロサキという内務省の役人が登場し、物語を語っていく。時代は1925年の治安維持法成立が成立し、不穏な空気の中、太平洋戦争が迫っていた。前に挙げた4人は治安維持法に翻弄されているが、それぞれの立場で彼らは罪に問われ、死に至らなければならなかったのかが、とてもリアルに描かれていた。一作品ごとの人物に光を当てた反戦文学だった。

2021/02/16

しゃが

4本の連作短篇集、久しぶりの柳さんだったが、柳さんらしくどれも不穏な怖さがあってドキドキした。官憲と信念を貫く男たちとの理不尽・不条理な出来事を描いている。取り締まりが勢いを増すと、検挙対象はなくなり、ノルマのために「罪は捜すな、仕立て上げろ」という罪状捏造、過酷な取り調べ、劣悪な環境と怖さがつのる。4篇を通して内務省の役人・クロサキが関わり、それぞれ『蟹工船』の小林多喜二や哲学者三木清などが描かれている。政治家や役人の目線は今も大きくは変わっていないのではと感じた。

2021/02/28

えみ

罪とは何か?官憲・クロサキが暗躍する中で、時代に抗い己の信念を貫いた者達の姿が描かれたスパイ小説。治安維持法成立により「異物」と認定された者達は人知れず消されていく。罪がない、ならば仕立て上げてしまえ。何が何でも国家の思想に従わせる。それが赦されるこの第二次世界大戦前中時代が恐ろしい。言論も表現も自由は認められず、芸術とは限りなく犯罪に近い。よって彼らは皆思想犯である。という恐ろしく偏った考え方が蔓延する世の中。特権階級主義に忖度、誰かが誰かを監視する密告者の存在。時代後退で現在にも通じているようで怖い。

2021/02/09

戦時中の日本は思想の違いが罪になる時代だった。どのようにして生きていくか?その事に真剣に向き合った人達を描いた骨太な作品

2021/02/24

糸巻

『蟹工船』の小林多喜二、川柳作家の鶴彬、中央公論社編集者の和田喜太郎、哲学者の三木清。4人を外側から見た人間たちによる4篇の連作短篇集。治安維持法の成立から、特高による検挙者数のノルマ達成の為の不自然な取り締まりが相次いだ理不尽な時代。各話短いストーリーではあるが、言論と思想すらも制限された者たちの辿る未来に絶望しか感じられず読んでいて打ちのめされる。

2021/02/26

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