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ムーンライト・イン

ムーンライト・イン

ムーンライト・イン

作家
中島京子
出版社
KADOKAWA
発売日
2021-03-02
ISBN
9784041110782
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「ムーンライト・イン」のおすすめレビュー

ワケあり逃亡中の男女が暮らすシェアハウス。雷雨の晩に現れた青年をきっかけに人生がふたたび動き出す『ムーンライト・イン』

『ムーンライト・イン』(中島京子/KADOKAWA)

 誰かとともに生きていくために、一度、ちゃんと別れることも大事なのだなあ、と『ムーンライト・イン』(中島京子/KADOKAWA)を読んで思う。

 本作は奇妙な同居生活の物語。80代、車椅子ユーザーの新堂かおる。50代、家事全般とかおるの介助を担当する津田塔子。20代、在宅の英語教師で、元看護師のマリー・ジョイ。そして70代、オーナーの中林虹之助。かつてペンションだった「ムーンライト・イン」に暮らすワケあり男女のもと、ある雷雨の晩、やってきたのが35歳の栗田拓海。職を失い、家も解約し、自転車に乗って旅に出た彼は、屋根の修理を請け負うことを条件に一晩泊めてもらうが、なんやかんやと用事を言いつけられて、気づけば5日。そろそろ出ていくかと思った矢先に踵を骨折。晴れてシェアハウスの仲間入りを果たすけれど……。

 どうやら彼女たちはみんな逃亡中の身、らしい。冒頭、拓海の訪れにかおるは「居場所を知った息子が連れ戻しに来たのでは」と警戒し、塔子は「ひょっとしたら裏から逃げたほうがいいのかもしれない」と怯える。

あのこ…

2021/3/3

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ムーンライト・イン / 感想・レビュー

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旅するランナー

高原の元ペンションに集まる、訳ありな人たちの優しいつながり。魅力的なフィリピン人マリー・ジョイさんと、人生やり直す拓海くんのこれからは、応援したくなりますね。中島京子らしい、ふわふわ感とぞわぞわ感を兼ね備えた、大人ごころをくすぐる作品です。

2021/04/25

ウッディ

放浪の旅の途中、高原の元ペンションに一夜の宿を求めた拓海、そこはオーナーの虹さん、車椅子生活のかおるさん、元介護士の塔子さん、そしてフィリピンから来たマリー・ジョイが暮らすシェアハウスだった。50年間想い続けた恋、事件からの逃亡、実父への思いなど、それぞれが抱える事情が明らかになり、絶妙の距離感での共同生活に溶け込んでいく拓海。けれど、それは幸せな一時避難場所であり、永遠に続くものではないことを知る。心穏やかに安らげる時間と場所、人生にはそんな宿があっても良いのかもしれない。

2021/07/10

のぶ

訳ありの人たちばかりだが、なぜか温かい物語だった。家を捨て自転車旅行の最中に雨に降られた栗田拓海は、古びた一軒の建物を訪れる。そこは老人がかつてペンションを営んでいた「ムーンライト・イン」だった。そこに住むのは、新堂かおる、津田塔子、フィリピン人のマリー・ジョイ。年代がバラバラの三人の女性が、それぞれ事情を抱えて過ごしていた。拓海は頼まれた屋根の修理中に足を怪我して、しばらくそこに留まる事になり、奇妙な共同生活が始まった。この雰囲気がとても面白い。家族のような関係が築かれているように感じた。

2021/03/21

モルク

以前は賑わっていた高原で、元はペンションだったところに今は訳ありな人々が暮らしているシェアハウス。そこに職を失った青年拓海が訪れ同居するようになる。家主虹之助と車椅子のかおるの50年来の恋、明るく気のいいフィリピン娘マリー・ジョイと実父、秘密を抱え怯える塔子。つかず離れずの距離感が心地いい。農作業をしたり編物をしたり、このまま永遠に続けばいいと思える日々。しかし、ここは終点ではなく分岐点。それぞれに変化が…その後の展開が気になる。でも、きっとうまく行くよ…きっとね。

2021/07/02

修一郎

駆け込み寺ムーンライトインに住まう訳アリの人たちがとても魅力的。会話を通じてちらちちらと事情が明かされていくのだけどもその会話が心地がいい。拓海君だけその家族の闇が明かされなかったのでマリージョイとの後日談ということでこれで続編ができるね。フィリピンの激甘料理にピニクピカン,シャリース,ムーンライトフリットも憶えましたよ。構成から会話から、まさに夜10時からのNHKドラマにぴったりだ。なんならオトナの土ドラでも。文章がいいんです。読み心地が素晴らしいお話でした。

2021/04/14

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