KADOKAWA Group

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アメリカへようこそ

アメリカへようこそ

アメリカへようこそ

作家
マシュー・ベイカー
田内志文
出版社
KADOKAWA
発売日
2023-03-08
ISBN
9784041110850
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アメリカへようこそ / 感想・レビュー

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ヘラジカ

約500頁という大ボリュームからも分かる通り、どの作品も中々の量感を持っていて歯応え十分である。ただの奇想を売りにした短篇集ではなく、筋書きもビシッと決まってる作品が多い。世の中には舞台の設定にフォーカスして肝心の物語がおざなりになっている短篇も少なくないが、この本にはそういう作品が殆どなかった。解説の通り、根底にはアメリカ社会、ひいてはこの世界の風刺というテーマがあるのだろうが、その中でも最小単位の「個人」を妥協なく描こうとしていて、それもまた好ましい。確かに『ブラック・ミラー』を思い出す作品集だった。

2023/03/13

くさてる

短編集。どれも一筋縄でいかない話ばかり。奇想、皮肉、ファンタジー風味ありつつも、現実と切り離されていない苦味があって、そこがリアルだった。「楽園の凶日」はミサンドリーなおとぎ話と片付けられそうなんだけど、終盤で挙げられる様々な事例のリアルさにめまいがした。読む人によって、この一篇、というのがバラバラになりそう。面白かったです。

2023/04/18

もち

「なんの前触れもなく始まった。僕が見たこともないような美しい光景だった」◆全てが逆回しに進む世界。死から始まった男の人生は、元妻との同居、子の空白の出棺を経て、建築作業を機に変転。痛切な理解と感慨を伴って、瓦礫から現れるのは――(『逆回転』)■趣向の異なるSF要素を放り込み、歪んだ日常を淡々と描く。畳み掛ける情景と心象描写。最後に胸を貫く、酷くリアルな社会問題。感情を煽る文章ではないのに、何故だか切なくなる、涙が零れる。透明な激情で斬られるような、またとない体験だった。

2023/10/22

yokey

社会問題を盛り込ませ考えさせられる作品、ただ面白いと感じる作品、よくわからない(意図が読めない)作品、と色々な短編集。一番感じたのは、作家がゾーン入ると(?)冗長な文章がタランティーノやウディアレンを思い起こさせ(個人のイメージw)眠くなったり面倒くさくなったり。読みづらかった、ははっ。

2024/01/26

葉子

何気なく手に取ったけどとても面白い本。13の短編はどれもどこか奇妙で、だけど日常でもあって、アメリカが抱えている問題にスポットを当てることによって生まれたファンタジーと現実の間のような世界だったな。どの短編にも言葉の洪水のように作者の頭の中の情景が羅列されてる箇所があって圧巻だった。何作かは映像化が決まっていると言うことで、確かに映像に向いてるような話が多かった。この作家の本もっと読みたいな〜。

2024/01/19

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