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五つの季節に探偵は

五つの季節に探偵は

五つの季節に探偵は

作家
逸木裕
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-01-28
ISBN
9784041111680
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五つの季節に探偵は / 感想・レビュー

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パトラッシュ

女性探偵が主役のミステリに五感を絡めた事件を描く趣向が凝っている。収録の5作品はどれも殺人は起こらないが、登場人物の心理にそれぞれ触覚(火傷)、嗅覚(香)、聴覚(解錠音)、味覚(LSD)、視覚(SNS)が重要なカギとなって絡み、ラストで男の身勝手に傷つき苦しむ女の真実が明らかになる逆転のドラマ構成が鮮やか。いずれも短編ミステリとして高い完成度だが、特に今年度の推理作家協会賞短編部門受賞作「スケーターズ・ワルツ」はサスペンスを盛り上げる筆が巧みだ。やや人工的な部分もあるが、作家としてのテクニックは文句なし。

2022/06/18

cinos

友達を失ってでも人の本性を暴かずにはいられない少女が探偵になって解き明かした5つの季節の事件。ビターな結末の作品が多いですが、いい。ピアニストと指揮者の恋を描く「スケーターズ・ワルツ」、不覚だった、最高。おすすめです。

2022/02/15

みかん🍊

思ったよりダークだった、父親が探偵のため周りから難題を持ちかけれたりしていたみどりは高校の時いじめを受けている友人から担任の弱味を握りたい、やってくれないと家を放火すると脅され初めて探偵の真似事をする、その経験から自分は人間の本性を暴かないと気が済まないという事に気づく、2002年春から2018年春までの5つの季節の出来事、京都での香道や防犯に纏わる事やドイツでの音楽等専門的な知識も豊富でエアドロップ痴漢なんて知らなかった、若竹作品の様なダークな探偵物語でした。

2022/06/17

aquamarine

探偵・榊原みどりが高校生時代に同級生から無理矢理頼まれた最初の依頼から、時を経て16年後までの5つの依頼を描いた連作短編。一見日常の謎に見えるそれぞれの依頼は、真相に到達すると思いがけない隠されたものが見えてくる。これを見ないままにするか、探偵としてすべてを明らかにしてしまうのか…。ミステリとしてだけでなくこの人間模様のほろ苦い扱いが印象的。ミステリとしてのアプローチも派手ではなくても様々で良かった。特に残ったのは依頼人の叫びが胸を打つ「龍の残り香」。好みは思いがけないラストが待っていた「開錠の音が」。

2022/04/03

さっこ

逸木さん初読み。読友さんのレビューを見て手に取った一冊。探偵を父親に持つ「榊原みどり」が自らも探偵となった16年を描く連作短編集。思いのほかビターな味付けで、どのお話も最後には違った側面やどんでん返しを見せてくれる。謎を解くことが新たな苦みを生む人間ドラマ。面白かった。

2022/04/17

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