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くらやみガールズトーク (角川文庫)

くらやみガールズトーク (角川文庫)

くらやみガールズトーク (角川文庫)

作家
朱野帰子
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-02-22
ISBN
9784041114353
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ジャンル

くらやみガールズトーク (角川文庫) / 感想・レビュー

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mae.dat

タールの様に、漆黒でどろっと粘る様な女性たちの暗黒面。それを描いた短編8話。ただ内から湧き上がるで無く外環境。周りの人に影響を受けてます。自分ではどうしょうもない事もありましたが、そんな人間関係ならさっさと縁を切って、環境を再整理した方が良く思うのですけど。女性らしいと言うか、その影響下から逃れられない様でね。自分を殺しちゃうのね。辛い。2話目の『花嫁衣装』って話がね、主人公はじめ、誰の名前も出てこなくてね。それが異様な空気感も更に齎している様でした。ラストの『帰り道』はなんか不思議。そう言う事なのかな?

2022/12/19

さてさて

『日本の花嫁衣装が白なのは、一度死んで、婚家の人間として生まれ変わるという意味がある』。そんな言葉の先に『結婚前の私はもういなくて…』という思いに囚われていく主人公の『私』。そんな作品では”女子たちの本音満載の物語”が”怪談”の中に描かれていました。男性と女性の視点を絶妙に対比させながら同じ事象がどう違うかを見せてもくれるこの作品。『藁人形』など”怪談”らしく背筋をゾクっとさせられる短編も折挟まれたこの作品。思った以上に様々な場面を描く一気読み必至の物語展開に、ハマる人にはベタハマりな作品だと思いました。

2022/12/19

azukin2

『わたし、定時で帰ります。』の朱野帰子さんだからてっきり痛快なガールズトークが読めるんだと思ったら…ホラーだった〰️。オドロオドロしいホラーじゃなく、人間のいや女性の内面的な暗い部分?怖い部分かな比喩的な表現が多いからどうとっていいのかなからないとこもあったけどこれは独身女性が読むと結婚したくなくなるような話だった。八つの短編の中で「花嫁衣装」と「藁人形」が好み。結婚、妊娠、子育て…。みんな自分を一度殺しながら生きて行くことらしい。こわーい。

2022/09/29

さくら★もち

女の傍らにあり続ける「女性としての役割にかけられた呪い」がホラー仕立てで描かれた短編集。この作品に登場する男性陣はあまりにも理解がなく自己中心的だし、女性陣は我慢しすぎていて、読んでいて強く不快感を感じるものが多かった。恋愛、結婚、出産、子育て、親戚付き合いや介護など変化していく日々に、女性には常に柔軟な適応能力が求められている。でも実際は性差や年齢関係なく誰もがライフステージの変化には戸惑うのだということを頭に置いて、自分を追い込みすぎず感情の逃げ道を作りながら日々を過ごそうと思う。

2022/06/12

よっち

女性の人生には通過儀礼が沢山ある。自分で選んだ人生のはずなのに、古い社会通念の箱に押し込められ、じわじわと別のものに変容させられていく言えない恐怖が描かれる連作短編集。当然のように夫の名字を与えられ消えてしまう旧姓や独り暮らし、恋、子育て、親の痴呆といった相手の都合に振り回されて、自分でないものにされてしまうのではないかという深刻な不安は、男の人だとおそらくこうなんだろうなと想像はできても、当事者として直面した時どう感じるのかはまた別ものなんでしょうね。リアルで生々しい苦悩がとても印象に残った作品でした。

2022/02/22

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