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闇祓

闇祓

闇祓

作家
辻村深月
出版社
KADOKAWA
発売日
2021-10-29
ISBN
9784041117316
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辻村深月「優れたホラー作品はどれもみな優れたミステリーでもあると思うんです」

横溝正史ミステリ&ホラー大賞の選考委員を務める辻村深月が、選評で常々指摘してきたのはミステリーとホラーを接着させる難しさだった。最新作『闇祓』は、その接着のお手本となるような一作だ。激烈に怖いホラーであると同時に、冒頭から十二分にヒントや伏線が張り巡らされ、結末部で度肝を抜かれる真相が顔を出す“ド本格”なミステリーなのだ。

(取材・文=吉田大助 撮影=山口宏之)

「ホラーは、怖さをどんどん拡大させて、オープンエンドで終わらせることもおそらく可能。でも、ミステリー作家を名乗ってホラーを書くならば、話の着地にはやはり何か“真相”を用意したい。これまで『ふちなしのかがみ』や『きのうの影踏み』などに収録の短編しか書いたことがなかったのですが、いつか私なりのホラー長編に挑戦してみたいという思いが今回の出発点でした」  本作におけるホラーの発生源は、人間関係に忍び込む「闇ハラ」。辻村による造語だ。 「セクハラやモラハラなどハラスメントにはいろいろな種類がありますが、まだ名前の付けられていないハラスメントが世の中にはあると思ったんです。例えば、相手側の事情だとか…

2021/11/8

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闇祓 / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

starbro

辻村 深月は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 ホラー好きの著者が満を持して発表した初の本格ホラー、とても怖く堪能しました。「闇祓」というよりも、ダーク・モラハラ・ホラーと言った感じです。神原一家、恐るべし、続編もあるでしょうか? https://kadobun.jp/special/yami-hara/

2021/11/15

ナルピーチ

あなたの周りの人達は大丈夫ですか?高校の先輩、同じ団地の住人。日常を描いた作品でありながら、得体の知れない何かが闇に巣食うその世界は章を追うごとに謎を深めていく。“奴ら”は絡みつく様に感情の奥深くからやってきて、全てを飲み込ながら人間関係を壊していく…。辻村先生の作品は初読でしたが、新感覚ホラーここにあり!と思える内容でした。現代に置けるハラスメントを随所に散りばめ、各章ごとに見せ方を変えながら、最終章ではしっかり伏線を回収してくれる。改めて問います。あなたの周りの人達は“闇”に取り込まれてはいませんか?

2021/10/23

パトラッシュ

学校や団地、会社や家族などで普通に暮らす人の内面に棲む闇が残酷な素顔をさらす物語かと思いきや、神原家という形をとった恐怖がじわじわと侵してくる。悪意が人を操って次々と仲間を補充し、僅かな不協和音をきっかけに犠牲者を増やし続ける有様は血や内臓をぶちまけるよりも恐ろしい。そんな闇ハラを振りまく家族が、どこにでもいる平凡さなのだから。彼らを祓う役目を負った少年との戦いは、否応なく新型コロナウイルスとワクチン接種のいたちごっこを連想する。偶然と自然とを問わず、人は常に外から侵略され続けているのだと警告するようだ。

2021/12/01

bunmei

辻村作品のダークミステリー。各章で登場人物も入れ替わり、学校、団地、会社、家族とシーンも異なるが、ストーリーが次第に繋がり、回収されていく連作。心の闇にスポットを当て、強引に言いくるめて自分の闇を押し付け、マインドコントロールされていく恐怖。最初から最後までのゾワゾワ感が続く中で、誰もが持ち合わせる嫉妬や妬みの負の感情が膨らみ抑えられなくなった時、叱責を受けて卑屈な感情が増幅して追い詰められた時、人の心は邪鬼へと変貌していく。様々なシチュエーションでの負の連鎖が渦巻き、ダークな世界観へと包みこんでくる。

2021/11/19

青乃108号

一見、それぞれのストーリーに関連性は無さそうであるのにもかかわらず、章立てで話が進んで行く事に、落ち着かない違和感を感じる。章を追うごとに全体像が見え始め、面白くなってきたと思ったら。ファン。?ファン。ファン。何これ?はぁ、仔犬の鳴き声って。駄目だ、一気にさめてしまい、以降は犬が鳴く度にイライラし、長いな。早く終わらんかな。ってばかり思いながら読んでいた。終盤の説明の延々とくどい事くどい事。そして一番アカンかったのはエピローグ。ただただくどい。本当にくどい。エピローグはカットして欲しかったと思います。

2022/07/22

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