KADOKAWA Group

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レジデンス

レジデンス

レジデンス

作家
小野寺史宜
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-08-26
ISBN
9784041119983
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「レジデンス」のおすすめレビュー

「こんなにざわざわする小説は久しぶり」湾岸のマンションに住む4人の人々の、脆さと弱さを描き出す群像劇

『レジデンス』(小野寺史宜/KADOKAWA)

 こんなにも、心がざわざわさせられる小説を、久しぶりに読んだ。本屋大賞2位に選ばれた『ひと』をはじめ、これまで「泣ける」「心あたたまる」などの感想を寄せられることが多かった、作家・小野寺史宜さん。最新作『レジデンス』(KADOKAWA)の読み心地は、真逆だ。けれどまったく小野寺さんらしくないかといえば、むしろ、とことん“らしさ”に満ちている。そのことにより、ざわざわさせられてしまう。

 エレベーターに乗り込み“誰か”を逮捕しに向かう刑事たちの姿から始まる本作。登場するのはみな、湊レジデンスというマンションのA棟に暮らす人々だ。地元の公立中学で学年1位の成績を誇る中学3年生の会田望は、夜な夜な、若い女性を狙ってひったくりを繰り返している。24歳の根岸英仁は、事故で両足を骨折したせいで就活に失敗したフリーター。事故の原因でもある、女性をつけ狙ったという不名誉な誤解を背負ったまま、狭い町で息苦しさを感じている。望のかつての友人・弓矢は、成績優秀だった小学生時代と違い、底辺をうろついている私立中学での鬱憤を、自…

2022/8/31

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レジデンス / 感想・レビュー

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starbro

小野寺 史宜、5作目です。著者の新境地かと思いきや、若かりし頃16年前の荒削りな作品、共同住宅(決してレジデンスではない(笑))を舞台にした青春群像劇でした。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322107000445/ 10月は、本書で読了です。 【読メエロ部】

2022/10/31

いつでも母さん

いつもの小野寺さんではない。と思うのは私の勝手な思い込み。例えば既読の『夜の側に立つ』だってざわりとした読後感だった。今作はその上をいくざらつきと、人の心に棲む邪悪な空気が私を取り込む感じなのだ。小野寺さんこういうのも描くのねって、正直なところだった。これは好みが分かれるだろうなぁ。まずは読んでみて。

2022/09/21

のぶ

小野寺さんはこんな話も書くのだ、というのが読み終わっての第一印象。湾岸に立つマンション「湊レジデンス」を舞台に、4人の主要な登場人物を中心に進行していく青春群像劇。主要な4人は深夜のひったくりをやめられない会田望、町を守るために自転車泥棒に暴行を働く入江弓矢、その異母弟入江充也、交通事故に遭い就職できなくなったフリーターの根岸英仁。この4人が女の子と付き合い関係を持ったりしているが、ある時大きな事件が起きてしまう。その時の彼らの行動は・・。読後感はあまりよくないが彼らなりの青春が描かれていた。

2022/09/06

まちゃ

小野寺さんの作品らしい交差する人間模様を描いた群像劇。ただし、本作は"衝動"と"欲望"から一線を超える若者たちが主人公のダークな物語。救いのない結末でした。

2022/10/27

モルク

あれっ小野寺さん、作風が違う。いつもの調子で読んでいたらびっくり。「湊レジデンス」という同じマンションに住みながら棟が違えば顔も知らない人々。よつば…系の話では繋がりがあってほっこりするんだけど、今回は明るく爽やかないい人がひとりもいない。それぞれにダークな闇を抱え、それがさらに負の方向に向かう。あぁおそろしや~

2023/03/21

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