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棘の家

棘の家

棘の家

作家
中山七里
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-05-31
ISBN
9784041122587
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棘の家 / 感想・レビュー

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まちゃ

中山作品にしてはシリアスなタイトルだなあ、が第一印象。棘の残るラストでしたが、先が気になり一気に読める社会派ミステリーでした。中学教師・穂刈慎一は、元小学校教師の妻・里美、中2の息子・駿、小六の娘・由佳の四人家族。由佳の自殺未遂、駿の殺人事件への嫌疑。被害者と加害者の立場に翻弄され、疑心暗鬼に陥る家族の姿。

2022/08/12

いつでも母さん

『家の数だけ棘がある』と作者が謂う。家族の数だけ棘があった。この穂刈家はこれで大丈夫なのか?元に戻った訳じゃないよね。息子が警察から帰って来た時の妻と娘の満面の笑みに違和感があった。心の棘を抜くのが良いのか、抜くのは誰なのか?夫であり父である穂刈が担うのか?家の中では教師ではいられない。棘は棘のままでそれが楔となって自重するかもしれない。もう一つの当事者、大輪家の棘は抜く前に化膿したのだろう。何とも後味の悪い読後感だった。

2022/06/20

yumimiy

イジメを題材にした小説は一体どんだけあるか、本書もその内のひとつ。読了後、人類共通であるイジメの正体を考えてみた。やっぱ辿り着くのは、人間だからー感情動物だからー自己防衛だーとなると結局、人間たるものは性悪説が有利か。う~ん、ヤだなこの思考。とは言え昨今の異常な犯罪ニュースを目にすると性善説とは、単に繕う意味に思える。性善説が絶対なら防犯カメラは何を意味するんだ。さて、感想だが、中学教師の娘がイジメによって自殺未遂。そして殺人事件が起きた。被害者家族と加害者家族の崩壊を痛々しく描いている。棘は応急処置せよ

2023/05/14

修一郎

いじめの問題と学校の無責任体質を取り上げているけどもそこまで突っ込んでいるわけではなくバラバラ家族のお話。SNSによる誹謗や教師の事なかれ主義とイロイロと言及しているけれど表面的だし人物も造形がボンヤリしていて薄味だ。殺人事件なんかにせず,もうちょっとリアリティある展開にしたらもう少し重厚なストーリーになったかも。

2022/09/29

モルク

中学教師の穂刈は妻と子供二人の四人家族。穂刈が担任するクラスでいじめ問題が…なんとも煮え切らない穂刈。小6の娘由佳がいじめにより自殺未遂する。そしてネットでは加害者、被害者双方の情報が拡がっていく。さらにいじめの中心であった少女が殺され長男に容疑が…。被害者と加害者の立場が逆転するも、マスコミ、ネットの騒ぎは増すばかり。家族の気持ちもバラバラになってしまう。なにもせず保身に走る学校、教師、脆い家族の絆。この家族は一件落着しても元に戻ることはできるのか。なんとも後味が悪い…

2022/08/31

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