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出身成分 (角川文庫)

出身成分 (角川文庫)

出身成分 (角川文庫)

作家
松岡圭祐
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-01-21
ISBN
9784041122952
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ジャンル

出身成分 (角川文庫) / 感想・レビュー

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H!deking

北朝鮮の田舎でおきた殺人事件の捜査をベースに進んでいく作品ですね。思っていたのと違っていたけど、これが北の現実だと思うとゾッとします。日本に産まれてよかった!

2022/03/08

綾@新潮部

脱北者の証言に基づいた小説であると。北朝鮮については知ろうともせず、TVニュースなどで報道されているのを見たことがある程度。なので想像以上の階級制度などに驚いた。そんな国での過去の殺人事件を追っていく保安署員。帯にある「貴方が北朝鮮に生まれていたら」という事を考えながら読む、重たい読書になった。多少の上がり下がりはあるものの、生まれた瞬間から階級が決まっていて、それによって住む所、できる事までが違ってくるとは。怖くてしょうがない。

2022/03/12

よっち

平壌郊外の保安署員クム・アンサノが11年前の殺人・強姦事件の再捜査を命じられ、簡単だったはずの捜査を進めるうちに思ってもみなかった真実が明らかになってゆくミステリ。再認識する捜査の杜撰さと国家の横暴さ、そして思わぬ形で浮上する元医師だったアンサノの父の存在。脱北者の証言に基づいて描かれたという出身成分によって扱いが相当異なる北朝鮮の世界には愕然としましたが、こういう何を信じていいのか分からない心休まらない日常だったり、個人の尊厳が脅かされかねない社会で生きるということをしみじみと考えさせられる物語でした。

2022/01/22

rosetta

北朝鮮を舞台にしたミステリーという事で興味深々で読んでみた。時代設定は具体的に何時なのか分からないが、十年前よりはマシになっているみたいな描写があり、30戸程の班の班長にはそれなりに役得もあり貧富の差もある様子。11年前の田舎の殺人と強姦事件を調べ直すように命じられた、他国では警察の様な位置の主人公。父親は医者だったが地区の長の政治家を殺して逃げてた疑いで地獄のような収容所に収監されている。党への忠誠心で三段階に分けられる出身成分。戦後の日本の闇市の様な国。あの人物の正体はと言うこの設定は安い漫画のよう

2022/04/07

空のかなた

貴方が北朝鮮に生まれていたら、この物語は貴方の人生である。この扉の言葉の意味が分かる。出身成分とは住民登録上の専門用語であり、父親の労務関係や犯罪歴、思想、信教等で決定される。母親がどうであろうと関係なく出身成分は父親のみで決まるというのは、この物語の女性軽視や差別の根源に繋がっていく。核心階層、全人口の半分を絞める動揺階層、人として扱われていない敵対階層。子供は遺伝子から思想まで父親から受け継がれる、と決められている社会、告げ口や陥れるための周到な罠が蔓延し、心を開ける相手等いない人生がここにある。

2024/03/16

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