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老神介護

老神介護

老神介護

作家
劉慈欣
大森望
古市 雅子
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-09-07
ISBN
9784041125786
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老神介護 / 感想・レビュー

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パトラッシュ

劉慈欣は信じられないほど多くの引き出しを持っている。ひとりで筒井康隆や小松左京、藤子・F・不二雄やブラウンらの得意な分野を自在に書き分け、しかも読者をうならせる出来栄えなのだから。SFテイストたっぷりのトンデモ設定からナンセンスやシリアスな、あるいは「すこしふしぎ」なドラマに発展し、最後は人類の未来を考えさせる文明論的展開に至る。あまりにも壮大な『三体』ではストーリーが錯綜して理解不能になることもあったが、短くスリリングに進む短篇だからこその迫力と魅力あふれる話になる。今後も優れた作品の誕生を予感させる。

2022/10/10

absinthe

5話の短編。いくつか『三体』に通じるアイデアも見られる。各話は他の話とわずかにクロスオーバーしている。表題作が秀逸で、食べ物を恵んでくれと地球に押し寄せる老いた宇宙人の姿が来るべき未来を予感させる。宇宙人のユーモラスな描写、人間の醜さも良く描けているが温かみも感じさせる。そういえば中国は日本以上に少子高齢化が懸念されている。『扶養人類』は富の配分の難しさを語る面白い作品だが、ちょっと説教臭くなった。蟻と恐竜の奇妙な共生社会を描いた『白亜紀…』も良かった。谷川流のようでもあり筒井康隆のようでもある異才。

2022/12/15

KAZOO

欧米系のハードSFに比べると非常にソフトな感じがしました。「三体」の作者によるSF 短編集で二冊にまとめられているうちの1作目で5作が収められています。読んでいて昔中国などの話で出てきた桃源郷などの話を思い出しました。表題作などコミック的な感じがします。蟻と恐竜の関係の話もよくまあ考え付いたという気がします。

2022/10/08

ゆのん

色々なジャンルの本を読む私だが、かなり気合いを入れないと読めない程に苦手なのがSFだ。映画だと好きなのに本になると何故か心の底から拒否してしまう。克服する為に読んだのが『三体』。面白かったので再び同著者の作品にチャレンジ。今回は短編だったのでかなり読みやすかった。『老神介護』『扶養人類』『白亜紀往事』の3作が特に良かった。読みどころはSFならではのスケールの大きさと、思わず仰け反ってしまう程の発想力。何処かに実在している世界を実際に見てきたかの様な描写に驚かされる。

2022/09/14

keroppi

「わしらは神じゃ。この世界を創造した労に報いると思って、食べものを少し分けてくれんかの」宇宙船から降りてきたみすぼらしい老神たちは、地球人の世話になることに。まるで筒井康隆でも書きそうなオープニング。だが、「三体」劉慈欣は、スラップスティックでなく、壮大な宇宙世界を描いていく。この「老神介護」以外にも四つの短編が収録されている。どれも、発想が凄い。恐竜と蟻の話だったり、地球を貫くトンネルの話だったり。子供の頃の少年誌の図解で見たようなトンデモ設定が心に迫るSF世界を創り上げている。#NetGalleyJP

2022/08/27

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