KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

オッス!食国 美味しいにっぽん

オッス!食国 美味しいにっぽん

オッス!食国 美味しいにっぽん

作家
小倉ヒラク
出版社
KADOKAWA
発売日
2023-07-19
ISBN
9784041126103
amazonで購入する Kindle版を購入する

「オッス!食国 美味しいにっぽん」のおすすめレビュー

「食す」と書いて「おす」と読む? 発酵デザイナーの旅を追体験しつつ日本の食文化を学べる異色のグルメ本

『オッス!食国(おすくに) 美味しいにっぽん』(小倉ヒラク/KADOKAWA)

「食国」と書いて「おすくに」と読む。パソコンの文字変換でも、「おす」は「食す」とは変換されませんし、「おす」と言えば最近では「推す」という言葉を思い浮かべる人が多いでしょう。ご紹介する『オッス!食国(おすくに) 美味しいにっぽん』(小倉ヒラク/KADOKAWA)では、発酵デザイナーという異色の肩書を持つ著者・小倉ヒラク氏が、日本人にとって当たり前の食べ物である調味料が一体どこから来て、どんな物で、そしてどこに向かっていくのかを解説しています。

 章立ては「米と麹」「塩と醤油」「味噌」「だし」「お茶と懐石」「おすし」「栗・豆・麦・芋」「獣と鯨」となっていて、これらは小倉氏流のアプローチでは、「神饌(しんせん)」というキーワードで取りまとめることができます。お祭りなどで神様に献上する食事のことです。

 万葉集には、歌人・大伴旅人が、現・福岡県の大宰府に滞在していたときに「奈良の都を恋しく思うか」と聞かれて「奈良もここも、同じ天皇が治める食国なのだから同じだよ」と答えた歌が残さ…

2023/8/5

全文を読む

おすすめレビューをもっと見る

オッス!食国 美味しいにっぽん / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

rosetta

大学の先輩のFBの投稿を読んで手にした(p129で言及されているまさに味の素グリーンベレーのご当人)。漫画の様な表紙とTwitterの様な口調で軽い本だと勘違いしそうだが中身はとても真面目。食国(おすくに)とは神の子孫としての天皇が食する国という意味で万葉の時代から使われていた。発酵という現象を化学的に、神社の神饌をキーワードに民俗学的に、日本の食の文化を掘り下げる。味噌・醤油といった調味料から出汁や茶、すしや肉食の歴史etcととても書ききれないほどの内容で詳しく知りたければ読んでもらうしかない

2024/01/04

joyjoy

食国(おすくに)という言葉に出会うのは初めて。「万葉集が編まれた時代には「食国」は日本そのものを指す言葉だった」とある。食(お)すことは治(お)すこと。そうだったのか!  食材の起源や製法の話もどれも興味深く読んだが、終章もよかった。…「食国アンテナ」を持つ新世代の料理人たち、彼らは「不便」のなかに勝機を見出す。…自分で「選ぶ」のではなく、食材に、土地に自分が「選ばれる」。…「選ぶ」ことは、個性を目指すようでいて既成の正解をなぞり、「選ばれる」ことはサバイバルを目指すうちに結果的に個性を獲得する。…

2024/02/23

おさと

ヒラクさんの著書は、とても興味深い。知ってることたちが違った角度からつながっていって、へー!!ってなる。

2023/09/01

ますりん

発酵デザイナー小倉ヒラクさんの新著。やや力こぶの入った作品で、日本という国の食文化と、宗教や信仰、伝説などと絡めて掘り下げた内容。目からウロコその壱は精進料理の発展や海運ルートの開拓により塩はやがて醤油を生み、太平洋ルートの困難さと急に増加した需要は和歌山湯浅の発酵商人たちを千葉に向かわせるという一大叙事詩。目からウロコその弐は味噌がここまでローカライズされたのも、物流の問題が大きいと。なれずしの話も出てくるし、諏訪の御頭祭の話も出てくるし、最近の自分の興味のクロスポイントのツボを的確に突いててうれしい。

2023/08/11

感想・レビューをもっと見る