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小説 すずめの戸締まり (角川文庫)

小説 すずめの戸締まり (角川文庫)

小説 すずめの戸締まり (角川文庫)

作家
新海誠
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-08-24
ISBN
9784041126790
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「小説 すずめの戸締まり (角川文庫)」のおすすめレビュー

映画『すずめの戸締まり』入場者プレゼント第3弾は新海誠監督の書き下ろし小説! 文芸評論家・榎本正樹が解説する小説ならではの人物描写

©2022「すずめの戸締まり」製作委員会

 映画『すずめの戸締まり』劇場入場者プレゼント第3弾として、新海誠監督書き下ろしのスピンオフ掌編小説『小説 すずめの戸締まり ~環さんのものがたり~』(以下、『環さんのものがたり』)が2022年12月24日(土)より配布されている。『すずめの戸締まり』には、これまでの新海作品には見られなかったユニークな人物が多く登場する。中でも観客の心に強く印象づけられるのは、ヒロイン・岩戸鈴芽の叔母の岩戸環ではないだろうか。姪の成長を見守る保護者として、鈴芽に深い愛情を注ぐ心優しい環は、思い切りよく積極的な性格の女性でもある。『環さんのものがたり』では、「母親」として家出娘を迎えに行く環の上京までの時間が描かれる。

『小説 すずめの戸締まり』(新海誠/KADOKAWA)が、主人公の鈴芽(「私」)の一人称によって語られる物語であったのと同じく、『環さんのものがたり』も環(「私」)による一人称小説である。一人称小説とは換言すれば、語り手が見た風景の主観的叙述であり、語り手の内面や心理を吐露するモノローグであり、語り手自身の「言…

2022/12/26

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文芸評論家・榎本正樹が解説! 最新作『小説 すずめの戸締まり』で小説家・新海誠が辿り着いた「語り」の究極形とは

『小説 すずめの戸締まり』(新海誠/KADOKAWA)

 ひと言で説明するなら、小説とは「散文で書かれたフィクション」である。この緩やかな定義の範疇にあれば、すべて小説と定義できる。口承文芸に始まる文学の長い歴史において最後に誕生した小説は、既存の文学様式を包括したメタジャンルであるとともに、もっとも自由度の高い表現ジャンルである。

 小説において重要なのはその中身、すなわち「物語の内容」であることは言うまでもないが、それと同じくらいに重要なのが「物語の語られ方」である。小説の小説性とは、「どのような語り手を設定し、その語り手にいかに語らせるのか」という語りの問題に集約する。

 新海誠は「語り」に意識的なアニメーション監督であり小説家である。新海監督のアニメーション作品では、モノローグ(独白)、ダイアローグ(対話)、同時モノローグ、リレーモノローグなど、様々な語りの技巧が駆使される。

 監督初の自作ノベライズ作品は、『小説 秒速5センチメートル』(2007年)である。アニメーション作品『秒速5センチメートル』の形式に倣い、小説版でも連作短編の形式が踏ま…

2022/10/19

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12月16日よりイオンモール×映画『すずめの戸締まり』抽選キャンペーン実施! 新海誠監督&原菜乃華のサイン入りポスターが当たる!

 公開わずか3日間で興行収入18.8億円、観客動員数133万人を突破し、新海誠監督作品史上No.1のロケットスタートを記録した映画『すずめの戸締まり』。

 映画の公開を記念して大阪・奈良・和歌山の3府県にあるイオンモール14店舗では、2022年12月16日(金)~25日(日)に『すずめの戸締まり』グッズが当たる抽選キャンペーンを実施。新海誠監督や原菜乃華さんのサイン入りポスターなど、貴重な非売品グッズが当たるチャンスとなる。なお、抽選にはずれた人にも、「イオンモールアプリクーポン」が当たるWチャンスがあるのでお見逃しなく!

映画『すずめの戸締まり』グッズが当たる抽選キャンペーン概要 ■実施期間 2022年12月16日(金)〜2022年12月25日(日)

■参加条件 期間中、対象となるイオンモール専門店での購入レシート3000円以上(税込)を1口として応募。 ※レストラン街・サービス専門店街は対象外。対象外店舗の詳細は、後日イオンモールのホームページに掲載

■応募方法 STEP1: イオンモールアプリをダウンロードし、対象のイオンモールをお気に入り登…

2022/12/12

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小説 すずめの戸締まり (角川文庫) / 感想・レビュー

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海猫

新海誠作品は小説も映画も「君の名は。」からなので、それ以前の作品ことはわからない。前2作は隠し味的に伝奇風な設定があったが、今回は全面に押し出してきた感じ。高校生のヒロイン・鈴芽が展開上、日本国内をあちこち巡るのでロードノベルの味わいが強い。言葉選びが繊細で情景描写が良く、旅情漂う。各地で出逢う人々も個性的。廃墟的な土地も沢山出てくるので哀愁がある。また人や場所を「匂い」で表現しようとする姿勢が印象に残った。日本人にとって重い現実がテーマとしてあるが、作品のイメージは爽やかである。アニメ映画もぜひ観たい。

2022/08/28

ひさか

2022年8月角川文庫刊。書き下ろし。鈴芽と草太の6日間の冒険とその後日譚。のっけから別の世界への扉が登場して、鈴芽が、扉を閉めるダイナミックな展開は、シーンが目に浮かぶようです。封印とか、要石というアイテムの使い方も面白い。以降このハイテンションなノリでの展開は楽しく、面白かったです。東日本大震災をイメージさせるシーンがあり、ここはムズかしいものをもってきてるな〜と思いました。記憶がまだ生々しいので一気に現実世界に戻ります。

2022/12/10

かんけー

読了♪ヒロイン鈴芽はとある朝、登校途中草太と言う青年に「このあたりに、廃墟はない?」と聞かれ、曖昧な返事で対応するも?草太はあっさりとお礼を言い立ち去る。物語はこの二人を軸に「戸締まり」と言うキーワードを巡り、奇想天外な展開を見せる。まだ映画公開迄1ヶ月以上有るのでネタばれ厳禁つう事で、鈴芽のその行動力のアグレッシブさに目を見張る(^_^;)良い意味でポジティブであると♪新海監督らしい時事ネタも挿入され、エンターテイメントとして完成度は高いと(⌒‐⌒)映画公開が楽しみです♪面白かったです("⌒∇⌒")♪

2022/09/22

芳樹

『君の名は。』は隕石落下。『天気の子』は大雨。前二作は自然災害が絡むエピソードでしたが本作は?本作も新海氏の心に強く残っている自然災害がモチーフになっています。なぜ『扉』が開いて災いが訪れるのか。人の思いが土地を鎮めているから人がいなくなると重しが無くなるという解釈は、心にすとんと落ちました。主人公の鈴芽が、とある美しい青年と運命的(必然?)に出会い、『扉』を締めるべく日本を旅する物語。道中出会う人たちとの交流を通じて、彼女が心に抱える重しを解き放っていく成長物語でもありました。映画が楽しみです。

2022/09/17

kotetsupatapata

星★★★☆☆ 映画を2度観ているので、あらすじはほぼ理解してますが、さらに小説で更に補完され深い部分を理解できたと思います。 「いってきます」「いってらっしゃい」、「ただいま」「お帰りなさい」普段から何気なく交わす言葉ですが、あの日片道通行で永遠に交わすことが出来なくなった数多の言霊 映像も素敵ですが、そんな何でも無い当たり前の日々が、奇跡の積み重ねで尊いことであることを改めて気付かされた作品だと思います。

2023/01/08

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