絶対猫から動かない 下 (角川文庫)
絶対猫から動かない 下 (角川文庫) / 感想・レビュー
timeturner
面白かった! 書きながら話を創っていったようで、何度か「いま作者の人、一生懸命理屈づけようとしてるな」って感じる場面があるんだけど、それもまた一興。メインで動くのが50~60代の男女っていうのもいい。
2023/04/21
akapon
文庫版で再読。個人的に「集大成」という言葉を冠したくなるのは『いつ猫』読破以来40年間ファンでいる自分の新井素子体験が全編にわたって蘇ってくるからだろうか。登場人物による思考の積み重ねの独白はお馴染みだがより論理的に微に入り細に入り描写され(これが楽しい)その行き先不明の論理の流れを丹念に追っていくと局面局面で不意に今まで読んだ新井素子作品に書かれていたこと思い出したりするのである。結果読むのに三ヶ月かかったがその間は至福であった。単行本の帯に「新井素子を好きでいて、よかった。」とある。全力で共感する。
2023/02/09
Masaaki Endo
新型コロナの収束は未だ見通せず、ロシアとウクライナの戦争も終わりが見えない中、地球の人口は80億を超えた・・・ 「人類はどこかで地球の生物であることをやめちゃった、地球との接触を切ってしまった。」ってのが、何か上手く言えないけど「ずんっ!」と来ました。 宗教の在り方も、今は問われている時で、神様なんてそもそも人間が依り代として作ったもので、そんなものを大事に信仰するより、地球を信仰して大切に守って行かなくちゃいけない!そんな風に思います。 何十年前に読んだんだっけ?「いつ猫」を読み直さなくては。
2022/11/16
ぷくらむくら
で、読み進んでいく内に、あ、これは「いつか猫になる日まで」の作者なりの回答であることに気づく。前から作者を知っている方には面白いのでは。
2022/11/03
moon-shot
後半は予想通り妄想全開のぶっ飛ばしモード。こういう葛藤描写のくどくどしさ、今のスタイルではないんでしょうけど、私は好きです。思考回路が結構リアルだから。「捕食するものとされるもの」の関係とか。「獲物を食べる」のはいい。でも「これから食べる獲物を虐めぬいて殺す」なんてこと、実際にはそう簡単にできやしない。この辺に何か大事な真実がある。三春ちゃんに平気で目を合わせようとした村雨さんや、ぺちゃっと平手打ちを食らわせたゆきちゃんこそが、実はリアルな存在なのだ。伏線をいかに上手く回収するかだけが小説ではないのさ。
2022/12/07
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