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荒城に白百合ありて (角川文庫)

荒城に白百合ありて (角川文庫)

荒城に白百合ありて (角川文庫)

作家
須賀しのぶ
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-11-22
ISBN
9784041130063
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荒城に白百合ありて (角川文庫) / 感想・レビュー

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kira

「革命前夜」以来の須賀しのぶさん。幕末の江戸、安政の大地震の夜に出会った青垣鏡子と岡元伊織。激動の世にあって、何にも熱を持たず何にも心を動かされず、ただ終末だけに憧れを抱く自身に気づいた10歳の鏡子と、見透かす伊織。歴史をなぞって物語は淡々と進み、合間に鏡子と伊織の触れ合いが挟まる感じで全然甘くない話の為中盤まで面白さがわからず。だが「序」から繋がる399p以降が凄烈で美しい。ここまで全部前置きですよねって思っちゃったぐらい凝縮された心のやりとりに持っていかれる。最後の一文のためにあったお話なんだろうな。

2022/12/19

ツバサ

性別、年齢、立場、違う部分はあるが、魂は同じ男女が時代に振り回されて生きながらに苦しんでいるが、最後に下した決断は必然だったのかなと。

2022/11/25

HaruNuevo

お互いに心の中に絶望的とも言える虚淵を抱えた会津の少女と薩摩の青年との出会いから、二人の迎えた結末までを、二人の人生の歩みと心情を交互に描きながら、鮮烈に描き切りつつ、幕末という時代も見事に切り取った作品。世が世なら、主人公二人はサイコパスになり得たかもしれない。 会津家訓として有名な初代藩主保科正之の遺訓も、幕末に至っては、藩と人々を閉じ込める古き容れ物であったのかもしれない。我々は、その言葉に縛られることのないが故に、その言葉に輝きを感じることができるのかもしれない。

2023/01/12

わいほす(noririn_papa)

この著者は期待を裏切らない。幕末を舞台に会津の女性と薩摩の男性の恋を描いた小説。歴史を知っていればロミオとジュリエットにならざるを得ないことは一目瞭然だが、両者に似たもの同士の虚無感を持たせたところが凄い。時代に流され攘夷も佐幕も酔うように命を投げ出す中で、そこに素直に身を投じることができず、しかし逃れることもできない悲しみ。その視点ゆえに人間の集団心理が作り出す歴史の愚かさが鮮やかに描かれる。中野竹子や清河八郎など実在の人物の存在感もいいし、会津の愚直さゆえの覚悟とその哀しみもまた心に残る。

2023/01/22

みつ

幕末の時代。心の中に空虚を抱える会津の少女と薩摩の青年は震災の夜に出会い、同類であることを直感的に認識する。この二人は一歩引いた目線で幕末の情勢を見ていて、この時代の危うさがひしひしと伝わってくる。この危うさが最終段階に達した戦禍で再開した2人の最後はとても悲しいけど、必然的な幕切れであったと素直に思える。

2023/01/08

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