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みみそぎ

みみそぎ

みみそぎ

作家
三津田信三
出版社
KADOKAWA
発売日
2022-11-25
ISBN
9784041130148
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「みみそぎ」のおすすめレビュー

その怪談を耳にしてはならない…『のぞきめ』作家が綴る、現実を侵食する最恐怪異譚

『みみそぎ』(三津田信三/KADOKAWA)

 現実と虚構の境界線がどんどんあいまいになっていく。と同時に感じたのは、強い悪寒。戦慄。ホラーの名手・三津田信三氏による最新作『みみそぎ』(三津田信三/KADOKAWA)は、現実を侵食していく最恐の怪異譚だ。

 三津田氏といえば、2001年『忌館 ホラー作家の棲む家』(講談社)でデビュー。「死相学探偵」シリーズや「家」シリーズ、「幽霊屋敷」シリーズなど、ホラーとミステリーを融合させた著作で知られ、2016年には『のぞきめ』(KADOKAWA)が映画化されたことも記憶に新しい。この本の冒頭では、『のぞきめ』の一節を引用しながら、何度も読者に対する警告が綴られる。「怪談奇談を欲して求めた段階で、その人は責任を負っている」「その手のものを希求して、わざわざ耳を欹てたり目に留めたりしたことで、その人は自ら怪異を招いている」「その怪異に対する責任が、本人にはある」——ページをめくれば、あなたの身にも何らかの障りが出るかもしれない。本書を読むならば、それを覚悟する必要があるだろう。

 この本の中心となるのは、作家の〈僕…

2022/12/3

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みみそぎ / 感想・レビュー

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starbro

三津田 信三は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。『のぞきめ』の続編、『のぞきめ』が「視覚」で、本作は「聴覚」、表紙絵同様怖い怪異譚のオンパレードでした。 本書は読むより、Audible等で聴くのが良いのかも知れません。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322206000478/

2022/12/13

KAZOO

三津田さんの新刊です。「のぞきめ」に続くような感じの本でいつもながら、実在の人物や架空の人物混在で楽しませてくれます。友人の祖父が残したノートを読んでいくうちに、ということでこの文章の活字体を変えたりしてかなり工夫を凝らされています。最後の結末があるような或いは無いような感じで不満に思う人がいるかもしれませんが私はけっこうこのような感じの怪談もありかなという感じでした。

2023/01/22

yukaring

『のぞきめ』の流れで"視覚"に続いて"聴覚"を彷彿させるホラー怪談。今回は友人の三間坂秋蔵の祖父が残したノートを元に怪異譚が進んでいく。百物語で語られる世にも恐ろしい怪談、その内容が次第にループして読む者を溺め捕り現実へと干渉する。ノートに書かれた怪異の名前と覚しき記述「〓〓」は読み取れず、2人は過去に集めた怪談との相似点を探しながら怪異に解釈をつけようとするが全く歯が立たない。障りを防ぐ手段はあるのか?いつもの如く記載されている「読むのは自己責任で」という意味の断り書きが今回は特に重い。

2022/12/21

眠る山猫屋

そう来たか!期待値上げ過ぎてたのは否めないが楽しめた。懇意の編集者・三間坂から持ち込まれた一冊のノートが本書の中核となる構成。三間坂の祖父の筆となる其処には、永劫に終りを迎えない怪異が記されていて・・・。登場人物たちが異口同音に語る「酷く気色が悪くて、聞いたことを心の底から悔やむような話」に至る様々な怪異に溺れよう。怪談好きな人々した手には取らないと思うが、本書を読み進めて奇怪な異音がしたとしても自己責任。ループして近づいてくる“怪談”、引き寄せられてくる別の怪異。あの少女は片眼が赤いあの子かな・・・。

2023/03/12

HANA

前作『のぞきめ』が視覚だったのに対し、本作は聴覚。ここから五感シリーズが始まるらしいのが実に楽しみ。内容は前作同様、編集者の蔵から発見された手記、それを読んだものに怪異が襲い掛かるという作りなんだけど、今回は手記の内容自体に工夫が凝らされてて面白いなあ。怪談の語り自体が次の怪談を呼びその怪談がさらに…という重層構造になってるのだが、個人的にこういう合わせ鏡みたいなもの大好きなので引き込まれて読む。ただその分、聴覚との関連は薄めだったけど。著者の小説に付き物の謎解きはなかったけど、怪談としては最高でした。

2022/12/14

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