渚から来るもの (角川文庫 緑 242-11)
ジャンル
渚から来るもの (角川文庫 緑 242-11) / 感想・レビュー
さっと
生前・没後双方の全集におさめられることのなかった小説家自身のボツ認定作品ということでマニアにはたまらない仕様だけれども、ひとつの章のタイトルに「輝ける闇」とあるのと、初めての自伝的小説「青い月曜日」の執筆とベトナム体験を経た時期と、オーウェル的寓話を目指した架空分裂国の設定も結果ベトナムの比喩でしかなかったという回顧談から、初期→中期への橋渡しとしても読みどころのよう。ノンフィクションの『ベトナム戦記』と、代表作としてもあげられる『輝ける闇』との間にこういう小説が存在していたのか、という発見がすべて。
2019/10/10
感想・レビューをもっと見る