鍵: 自選短編集 (角川ホラー文庫 31-1)
鍵: 自選短編集 (角川ホラー文庫 31-1) / 感想・レビュー
ヴェルナーの日記
作家・筒井康隆氏による自選集。16編の短編作品によって編まれている。筒井康隆氏といえば、「SF御三家」と称され、故・小松左京氏、故・星新一と並んだ存在。筒井氏は、作家のみならず、俳優としても活躍している。残念なことに他の2人がすでに故人なので、まだまだ頑張っていただければと存じます。彼の作風は、発刊された作品群を見れば、一目瞭然で何でも有りのオールマイティーぶりが際立っている。自選の本書は、非日常(異常)な環境に追い込まれた人間が何を感じ、どう行動するのか?を問うた極限状態の人間模様を描いた物語が多い。
2021/05/11
ねりわさび
筒井氏の自選によるホラー短編集。かなり古い作品も収録されており中学生のころに読んだ当時の恐怖感がひしひしと蘇ってきて恐ろしい思いをしました。佇むひと、未来都市、ふたりのインド人など筒井ファンにも馴染みのある作品があり、大変におもしろかったですね。
2021/07/16
hanchyan@自己ベスト更新
この世にホラーは二つしか無い。怖いホラーとそうでもないやつだ!安いセミナーの真似はともかく(笑)、恐怖をあえて大別すれば(そうしないとコワいから(笑))“外からやってくるもの”と“裡から湧いてくるもの”と思ってたが、“外”の真逆乃至“裡”の派生として“失う・損なわれる”恐怖があるんだなあ、とまずは久々に読んでの浅慮。目次をみただけでウヒョヒョヒョうひー♪となる傑作郡は上記“外・裡・失”の絶妙なハイブリッド。想像力を掻き立てられ勝手にコワがっちゃう(笑)ほのめかしの上手さ巧みさ。これぞ短編小説を読む愉悦♪
2016/02/04
あたびー
#日本怪奇幻想読者クラブ 筒井康隆師匠の怖い話は様々なカラーを持っている。走り出したら止まらない、一気に駆け抜けて狂気の哄笑を打ち上げたくなるようなもの。静かにひっそりと染みていき、逃れられないものにがんじがらめにされて諦めを持って瞼を閉じるようなもの。最初から最後まで何が起きたかわからないまま置いてけぼりにされるようなもの。どれもこれもが愛しく何度取り出し眺めても満足のため息で書を閉じることになる。今回も、もちろん。(以下覚書)
2020/08/29
さっとる◎
ある意味ほとんどの作品がホラーではと個人的には思っている筒井さんの自選恐怖小説集。自選~集だからそれぞれがどれかの作品集なりに入っているはずなのに全作未読という幸せ(^^; 何の鍵だ?絡繰仕掛けのように封印したはずの過去の扉やロッカーや何やら開けてしまって最後の戸が開いたとき思わず私は目を瞑った傑作「鍵」。からの「佇むひと」!いやね、確かに「佇んで」ますけども!(笑)。「佇むひと」のお題で何か書かせて、こういう発想に行き着く人と友だちになりたい(笑)。「衛星一号」「未来都市」「母子像」なんかも好き(^^♪
2015/06/20
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