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キッチン (角川文庫 よ 11-8)

キッチン (角川文庫 よ 11-8)

キッチン (角川文庫 よ 11-8)

作家
吉本ばなな
出版社
KADOKAWA
発売日
1998-06-23
ISBN
9784041800089
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キッチン (角川文庫 よ 11-8) / 感想・レビュー

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風眠

(再読)『キッチン』そしてその続編『満月』は家族という既成概念を覆す物語だ。血縁ではなくとも、信頼と尊敬と愛情があって、それぞれが選んだ生き方や個性や考え方を尊重しつつも、必要な時には土足で踏み込んでゆく。それはもう家族だ。どんな形であっても、誰が何と言おうと。10代の時にこの本に出会い、吉本ばななが大好きになった。家族とか愛情とか、いろいろな形があってもいいという事に救われたのだと思う。あの頃は私も若かったので言語化できなかった。時を経てやっと、本当にこの作品を理解できたように思う。何だかとても嬉しい。

2015/07/05

zero1

多くの人が過去を背負って生きている。久しぶりに再読してみると何故、この作品が多くの読者から支持されたのかが分かる。結局は人の解放を描いていると再認識した。これも喪失と再生?散漫なようで文章が光っている。祖母の死で天涯孤独となったみかげ。雄一の家で居候に。母親の存在が驚き。しかし、続きを読んでさらに驚き。カツ丼食べたい。食べるのは生きている証拠で奇跡。「ムーンライト・シャドウ」も事故と弟の関係を描く点で似ている。読者が作品の中にどう自分を重ね合わせるか。読む度に感想が変化するはず。だから再読に意味はある。

2020/07/15

ソルティ

30年位前、私が高校生の頃流行った本。当時は偏見で、今更初読。バブル期特有なのか設定がぶっ飛びすぎ、女子の言動がなんだか浅はかな感じ、底辺に死が漂うことなどから「ノルウェイの森/村上春樹」と似ている。大事な人を亡くした喪失感、何もできなくなる感じ、心情の描写が秀逸で、そして支え合える人がいることが救われる、と分かった。その様はとてもあたたかいと感じた。「なぜ人はこんなにも選べないのか。虫ケラのように負けまくっても、ごはんを作って食べて眠る。愛する人はみんな死んでゆく。それでも生きてゆかなくてはいけない。」

2020/06/08

ehirano1

「キッチン」のラストの場面がとても心温まるもので、これはいつまでも記憶に残るな、と思いました。引っ越しで退去する時、普段は狭いと感じていた部屋が空っぽになった時、寂しい思いがする一方で、言語化できない何とも言えない思いで満たされる気分になります。そんな私の想いを小説という形で言語化された本作にも感謝です。良い読書になりました。

2024/02/23

三代目 びあだいまおう

名前は知ってましたが、著者名と作品名が私には相性悪かったのかこれまで全く食指も興味もありませんでした。やはり読メがきっかけです。そしてまた、そのきっかけに大感謝させられるとは(驚) 短編3編で200頁程度、共通する素材は『大切な人の死』心にぽっかりと空いた穴と孤独感は、今のこの悲しみから一歩も動きたくない進めない!でも無情にも時は進む。戻したいのに時は進む。誰しもが経験するであろうその辛さ痛みに、著者の優しく美しき文字と旋律がほのかな癒しとなって心を包む。なるほど名著。ばなな本、次は何がいいのやら‼️🙇

2019/01/05

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