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桃 もうひとつのツ、イ、ラ、ク (角川文庫 ひ 8-14)

桃 もうひとつのツ、イ、ラ、ク (角川文庫 ひ 8-14)

桃 もうひとつのツ、イ、ラ、ク (角川文庫 ひ 8-14)

作家
姫野カオルコ
出版社
角川書店
発売日
2007-07-25
ISBN
9784041835159
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桃 もうひとつのツ、イ、ラ、ク (角川文庫 ひ 8-14) / 感想・レビュー

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優希

『ツ、イ、ラ、ク』を読んでからかなり時間が経ってしまいましたが、それでも物語を深く味わうことができました。対になっているのと同時にサイドストーリー的な位置付けとも言える作品でしょう。それぞれの恋の物語が落ちていく恋の味を感覚的に伝えてきます。何故ここまで恋がダイレクトに伝わるのかと思わずにはいられません。体がゾクゾクと震えるのを感じさせられました。

2017/02/16

りゅう☆

『ツ、イ、ラ、ク』のスピンアウト。兄の初恋は実ったけど安藤の梁瀬由紀子先生への初恋は『卒業写真』のようにその時のままでいいと感じたことに納得。河村先生と対等でいたい準子の想いが情欲で溢れているけどいじらしさを感じた『高瀬舟、それから』。頼子が塔仁原を男女として意識する過程を語り「結婚して彼が健康でさえいてくれれば、自分と同じ時間を生きて、泣いて怒って笑って自分と話してくれることが嬉しいと思う相手と共に年月を歩んでいけるのがなによりも幸せ」って感じてることが嬉しい『汝、病めるときも、すこやかなるときも』。→

2018/09/03

ワニニ

ホントに面白い人だなと思う、姫野さん。この方の本を読むと、小説より先に、いつも本人に興味がいってしまうよ。淡々としているのに、迫力があるというか(笑)女のことは勿論、何故か男のことをもこんなに分かって分析し、そして人々は自分のことなのに冷静に語っていく。その、作者との距離感を、哲学的にさえ思えるのに何だか官能的に描くところが、オツ。桃は甘くて香り高く、可愛くてデリケート。だけど、産毛はチクチク、すぐ傷んで色が変わる。とってもおいしいけれどね。長命の人達の心の内の具な観察・人間模様は、是非ツイラクと併せて!

2014/09/20

いたろう

「ツ、イ、ラ、ク」のサイドストーリー。六つの視点、六つの短編で描かれる当時の長命中学とその周辺。「ツ、イ、ラ、ク」と時間軸が重なり、エピソードがリンクする。短編のほとんどが現在からの回想になっている中で、「高瀬舟、それから」だけはそのまま「ツ、イ、ラ、ク」の中に一挿話として入っていても違和感がないリアルタイムの物語。文庫版では、巻末に読者が作った長命市の地図や長命小学校の校歌が掲載され、小説の熱狂的なファンの存在が窺える。更なるスピンオフを望む声も大きいだろう。

2015/01/24

あつひめ

ツイラクの姉妹編でも続編でもないけど、同じ匂いがする。私的にはとっても好み。ツイラクを読まないと意味不の部分が多いので要注意。砂時計の砂がサラサラと落ちるように心の中でいつの間にか粉々になった思い出がサラサラと落ちるような物語。同じ学び舎で過ごしながら心がすれ違っていたり、各々恋の悩みを抱えていたり。青春時代の恋心が甘酸っぱいなんてもしかしたら嘘かも。苦い苦い薬湯のような恋かもしれない。月日が流れ自分の歩いてきた道を振り返って初めてあの頃の自分を認めてあげられるのかもしれない。小早川さんの感想がいい。

2011/05/27

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