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壜の中の手記 (角川文庫 カ 13-1)

壜の中の手記 (角川文庫 カ 13-1)

壜の中の手記 (角川文庫 カ 13-1)

作家
ジェラルド・カーシュ
Gerald Kersh
西崎憲
駒月雅子
吉村 満美子
若島正
出版社
KADOKAWA
発売日
2006-11-25
ISBN
9784042961017
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壜の中の手記 (角川文庫 カ 13-1) / 感想・レビュー

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財布にジャック

よくもまぁこんなことが思いつくと感心してしまいました。奇想な話を作る天才ですね。序盤のいくつかの短編はあまり好きにはなれませんでしたが、「壜の中の手記」と「ブライトンの怪物」は凄く良かったです。一ヶ月前に「アウルクリーク橋の出来事/豹の眼」というビアスの短編集を読んだばかりなので、「壜の中の手記」はそのビアスが主人公なので、グッドタイミングでした。どの話もホラー色を薄めにしたラヴクラフトのようにも感じられました。

2012/07/03

藤月はな(灯れ松明の火)

凄い作家の作品を見つけてしまった・・・。表題作はかのビアス失踪を描いてオチも見え見えだけど皮肉屋のビアスが陥落されていく様に笑いが込み上げます。「骨のない人間」の結論に腰を抜かしそうになり、対する「カームジンとハムレットの台本」は最後の結論の方が納得がいきます。「刺繍針」の傲慢な主人公をぎゃふんと言わしめた結末にドS心も満足♪「豚の島の王女」は奇形を主人公にした「瓶詰地獄」(夢野久作)の複数版ともいえる凄い作品でした。恐るべし、ジェラルド・カーシュ!また、私の中で注目すべき作家が登場してしまいました・・・

2013/04/02

HANA

読友さんの感想を見て興味を持って読んでみたのだが、これが大当たり。所謂奇妙な味の短篇集で、どれを読んでも落ち着かない気分にさせてくれる。無人島で見つかった骨と手記が酷く哀しい読後感を呼び起こす「豚の島の女王」やビアス失踪の謎を追う「壜の中の手記」、ある服役囚の奇妙な体験を描いた「ねじくれた骨」は素晴らしい作品だった。個人的に好きになったのはブラックユーモアの「破滅の種子」や「時計収集家の王」、B級ホラー的な要素を持った「狂える花」「骨のない人間」。とにかく粒ぞろいの短編を堪能させてもらいました。

2012/08/02

ドン•マルロー

全編にわたってドライな語り口調でつづられる不思議な物語群。その徹底した語りの形式による為か、冷めた意識で捉えればただのホラ話のように思えなくもない作品ばかりだがどれにも妙な説得力がある。現実的かどうか、あるいは普遍性があるかどうか、そればかりが良き物語の物差しとはなりえないということを改めて痛感させられた。読む者を夢中にさせ一瞬でも作品世界にひきこむだけのパワーがあればそれで良いのだ。例えば『ブライトンの怪物』の正体があまりに馬鹿げたものであったとしても、怪物の辿った運命に耳を傾けずにはいられないように。

2016/06/11

kana

久々にお見事!と歓声をあげたくなる衝撃的翻訳短篇集に出会いました。おそれながら、ピカソのゲルニカを思い出します。グロテスクなのに、圧倒的なパワーと芸術性があって、たまらなく引き寄せられる。『悪童日記』や『月と六ペンス』あたりが好きな人にぜひすすめたい!てゆか、ファンの誰かとこの本の感想を語り合いたい!「ブライトンの怪物」「時計収集家の王」は特にお気に入り。

2010/08/14

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