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遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

作家
柳田国男
出版社
角川学芸出版
発売日
2004-05-26
ISBN
9784043083206
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 土着の信仰や風習・妖怪が数多く登場し、民間伝承をモチーフとした後世の伝奇作品にも少なからず影響を与えている『遠野物語』。民俗学のエッセンスに溢れた魅力ある一冊です。

 そこで今回は柳田國男『遠野物語』をわかりやすく解説します。文語調がとっつきづらいという方も、ぜひ触れてみてください。

『遠野物語』の作品解説

 民俗学者である柳田國男が著した『遠野物語』は、佐々木喜善から伝え聞いた民話に、現地での見聞・調査による補完を加えて完成しました。怪異にまつわる話を過度な編集なく書き記したこの物語は、難解とされていた前著『石神問答』と比べて売れ行きも順調で、かの文豪・芥川龍之介も購入し「大へん面白く感じ候」と評しました。またフィールドワークによる裏付けもあったことから、後世では民俗学の先駆けとして評価されています。

『遠野物語』の主な登場人物

佐々木鏡石:遠野出身の民話蒐集家で、この物語を語った佐々木喜善の筆名。

遠野郷の人々:実名の人物が多数登場する。佐々木喜善の周辺人物が多いほか、山口村や近隣地域の人々も。

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2023/4/30

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 怪談実話とは、ある人が実際に体験したとされる怪異を聞き書きすることで成り立つ、特異な文芸ジャンルです。ときには体験者自身が執筆することもあります。い…

2020/8/16

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遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー

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優希

古き良き日本がここにはあるような気がしました。民間伝承の宝庫である遠野。天狗、河童、動物、幽霊、人間、雄大な自然が紡ぐ伝説や怪異譚は、豊かな暮らしを伝えるもののように感じます。中にはゾッとするものもあるけれど、美しい日本ならではの姿がありました。かつて自然や妖怪、八百万の神と共存してきたことを思い起こさせます。

2016/06/10

ねりわさび

著者が知人より聞いた遠野にまつわる奇談、およびその続編を収録したフィールドワーク本。編集された時代背景のため当時この本を文学的存在として昇華させようとする文壇の魂胆が文章から見え隠れするのですが、そんな小難しいものでなくこれは純粋に大衆向けに編纂された怪談本の元祖と思いました。続編以外は旧仮名遣いなので少し読みにくいですが、内容は非常に興味深いものばかりで楽しめました。日本昔ばなしなどを彷彿とさせる短編集。という観点もできて面白かったですね。

2021/09/16

おか

正に 怪談物の原本だと思う。柳田國男は民俗学の先駆けです。この岩手県遠野の伝承話は 自分が集めた物と 当時遠野に住んでいた作家の佐々木喜善の協力を得てまず「遠野物語」を そして数年後「遠野物語拾遺」として纏め上げた。一番有名なのが 座敷わらしです( ◠‿◠ )でも 読んでみると 座敷わらしといっても まぁ何人もいる、、、笑そして伝承されている話には どこの某とか つい数年前まで生きていた人の証言だとか 真実味溢れる奇妙な話(笑)でも その奇妙な伝承を信じ 避けるべき災いを避ける縁として人々が生きています

2018/05/15

シ也

遠野に行く予定だった(遠野は山寺に化けた)ので、読んだ本作。始めて読んだのは中一の時なので、実に六年ぶりの再読となる。「え、怖っ」となるような話や「だからなんだよ」と突っ込みたくなる話などバラエティ豊富で、“古き良き日本”の一つの形が描かれているように思う。特に興味深いのは妖怪の話。赤い顔のカッパ。カッパの話には本物説は置いておいて異人説等色々ある。ここでのカッパの正体は一体...

2016/03/15

絹恵

まだ訪れたことのない土地の遠い昔の伝承ですが、それなのにこんなにも郷愁を感じるのは、直感的にそこに日本人の源流があるからなのだと思いました。自然現象に重ねて見て取れる八百万の神さまに強い畏怖の念を抱きながら暮らしを営むことへの恐怖と恩恵を感じました。ふっと薄ら寒くなるものもあるけれど、それ故に想像を満たしてくれました。

2015/08/30

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