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裸のサル: 動物学的人間像 (角川文庫 モ 3-1)

裸のサル: 動物学的人間像 (角川文庫 モ 3-1)

裸のサル: 動物学的人間像 (角川文庫 モ 3-1)

作家
デズモンド・モリス
Desmond Morris
日高敏隆
出版社
KADOKAWA
発売日
1999-06-01
ISBN
9784043259014
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裸のサル: 動物学的人間像 (角川文庫 モ 3-1) / 感想・レビュー

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なる

裸のサルとは、全身が体毛に覆われていないサルのこと、すなわち人間のことである。人間を「サル」という視点から動物学的にとらえて研究した学術論文というかたちで割と皮肉たっぷりに(けれど作為的にではなく)書かれている。起源、セックス、育児、探索、闘い、食事、慰安、動物たちといった章立てから人間の生態を解体して観察しており、特にページ数を費やしているのは闘いの章。他のサルと同様に持つ闘争本能と人間にだけ見られる転移行動とその解決方法についても述べられている。動物学という観点から社会学を包括していて興味深い。

2022/06/07

藤月はな(灯れ松明の火)

父から勧められた本。人類文化学、文化人類学、自然人類学で学んだことを裏付けるような「人間」という裸のサルという種を他の動物の例と比較して共通点や相違点を見出し、考察している。

2012/08/07

ひさしぶり

動物行動学的な観点から人間を体毛のない〈裸のサル〉と位置づけいかに動物本能を残しているか ブラックジョークのような語り。女性が読むのは抵抗が少々ありますが、ヒトの文化的行動の裏に原始的な行動の応用編みたいなものをみます。目上の人に「アッ○○さん」目下に「オッ○○くん」がサルも同様てな話の展開期待したけど、ちと方向性が違った。表紙は稚拙ですが大雑把にはそんなモンです。

2019/07/31

マーブル

万物の霊長とも言われる人類を裸のサルといささか侮蔑的とも言える表現で呼ぶ作者の意図は、人類の未来に対する楽観論に対し、ヒトの生物学的な特徴を強調することにより我々が持っている限界の本質を示そうとする試みである。訳者が述べるように、そこには必ずしも同意できるものばかりが書かれているとは言えないが、一つの見方として検討する価値はある。そもそもヒトを語るにおいて、生物学的アプローチだけでなく、心理学的であっても、社会学や経済学にしろ何にしろ、ひとつの視点からだけ見てしまうのは片手落ちになるのは当然のことだろう。

2019/10/12

赤い熊熊

ドーキンスと同じく動物行動学者による人間の生来的な特質について書かれた本。類人猿や霊長類、他の哺乳類との比較から進化生物学的に我々の行動に意味付けがなされていく。ルソーやカントの阿呆を一蹴できる強力さを持っている。法学者にせめて人間本性について科学的に知ろうとする謙虚な態度があったなら、不条理な現行の法はなかっただろうと思う。

2013/12/12

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