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自分自身への審問 (角川文庫)

自分自身への審問 (角川文庫)

自分自身への審問 (角川文庫)

作家
辺見庸
出版社
KADOKAWA
発売日
2009-06-25
ISBN
9784043417100
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自分自身への審問 (角川文庫) / 感想・レビュー

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寛生

【図書館】永らく読んできた者としての読む行為は、自らの中にある何からしらの渇きを何とか潤したいのは事実だが、本書との邂逅はその渇きがよりさらに如実に現れてきたようでもあり、少しの水滴で喉の渇きが潤わされたようであり。辺見自らが病床にあって、その生のまさに極限で、苦しみ悶え、闇か光かも判らない場所から、何かに憑かれていたかのように、文を紡ぐ。脳出血で倒れた後、癌手術で躰にメスを入れられた辺見が紡いだ文と文から出来上がった本書の読後、私も何かに取り憑かれたのは間違いない。こんなに震撼させられた書は初めて。

2014/11/17

GAKU

凄い著書だ。辺見庸さんが脳出血で倒れ入院。リハビリ中に結腸癌も発見され手術を受けるという二重の苦難。その時に書いたまさしく「自分自身への審問」。癌手術前後さえも痛みに耐え後遺症の残る思考と、右手を精一杯使い書いた。死を間近に感じている人間がここまで書ける気力を持てるものなのだろうか?読解力の乏しい私は毎日少しづつ理解しょうと噛み締めながら読んだ。それでも理解できたのかは難しい。ただ彼の研ぎ澄まされた刃のような訴えかける文章は、私に何かしらの強い強い感銘を与えてくれたのは間違いない。改めて凄い著書だ。

2016/02/03

Tomoko.H

実家の古本。脳出血後の麻痺が残るなか書かれたエッセイで、倒れた前後での自身の内面の変化や記憶など。『自分自身への審問』の部分は、文字通りの自問自答。この著者の本を初めて読むのにはこれじゃない方がよかったかな。でも自分にも社会にも厳しく、使命感の強い人だという印象。

2019/07/04

魚53

再読。繰り返し読む。鳥屋野潟公園の桜の風景。痛み。記憶。傷。深手。それでもなお生きるのはなぜか。どう生きるのか。厳しい問いかけ。私みたい甘っちょろい人間にはとうてい到達し得ない問い。可哀想なほど。もうそんなに責めなくてもいいんじゃないって言ってあげたいが、透徹した目の人は、そうじゃないんだよと言うだろうな。

2023/04/03

魚53

まとめられることを拒む本。自分自身がまともな人間であるのかどうかも疑わしくなる。何が正常で異常か、誰が事件の犯人であり、死刑に処されるべき人物なのか、全てが怪しくなってくる。全てを断定しないこと。常に疑問を持つこと。簡単にわかったつもりにならないこと。真実はいくつもある。目を見開いてちゃんと見ろ!と叱られている気がした。

2022/09/04

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