冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)
「冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫)」の関連記事
『ランチ酒』『冷静と情熱のあいだ』ダ・ヴィンチニュース編集部がおすすめする“秋の夜長に酒と嗜みたい本”5選
ダ・ヴィンチニュース編集部メンバーが、月ごとのテーマでオススメの書籍をセレクトする、推し本“+”。10月のテーマは、「秋の夜長に酒と嗜みたい1冊」です。
ちびちびお酒を飲みながら楽しむ『ぼのぼの』寄りのいがらしみきお作品『お人形の家 寿』(いがらしみきお/太田出版) 『お人形の家 寿』(いがらしみきお/太田出版) お酒をちびちび(たまにゴクリと飲んでしまって気づいたらワインボトルが1本空く)飲みながら本を開くならじわじわじわじわ…ぷすぷすぷすぷすと、小さく長い笑いの感情に包まれるのが好きで、『女の園の星』もその感情を再現できる最適作なのだが、同様にいがらしみきお氏の『お人形の家 寿』もそうである。いがらし氏といえば、『I【アイ】』や『かむろば村へ』といった、『ぼのぼの』のように動物哲学ほんわか系で甘やかしてはくれない作品も多々あるが、本作は後者に近い。登場人物は、いがらし氏の妻が収集した人形たち。いがらし家をネタに、人形たちはなかなか厳しいツッコミもするしシュールで漫才を見せられているようで怖かわいい……。
一杯一杯を大切にしたくなる『ランチ酒…
2021/10/3
全文を読む関連記事をもっと見る
冷静と情熱のあいだ Rosso (角川文庫) / 感想・レビュー
ヴェネツィア
辻仁成と互いに競作しつつ合作することで、『冷静と情熱のあいだ』を編み上げるという新しい試み。その後への展開はともかく、本作でのそれは成功を収めているようだ。さて、その"Rosso"版だが、江國香織の描き出すこの「あおい」の物語は、ややもすれば観念的になりがちな辻のBlu"に比して情念的であり、感情の在処も膨らみを持ち、より微細な動きを見せる。そして、あの日以降の10年間は彼女にとっては、順正との日々よりもあおいにとっての「私のいる場所」であり得たのかも知れない。ラストシーンはそれを示唆しているだろう。
2021/08/27
ソルティ
登場人物誰の気持ちも分かるから心が痛い。あおいの居場所がない気持ち、マーヴの恋人が自分を見ていないもどかしさ、順正の誤解からあおいを傷つけたという自責、忘れて前を向きたいのに、忘れられない。どれも分かるし辛いよ。順正の事が好きなのに嫌われて終わった事が辛すぎる。それは自分の心が終われないよ。だから気持ちを確かめ合うためには再会はアリだと思う。これできっと終われる。Bluの方も読みます!「順正の口からその言葉をきくことには耐えられなかった。どうしてそんなことをした。そう言われる方が百万倍もましだった。」
2020/03/16
ハッシー
『人が帰る場所は誰かの胸の中にしかない』 ▶「忘れられない恋」を女性の視点から描いた作品。男性側から描いた辻仁成の同名作品と合わせて読むと、それぞれの物語は完結しているのに、互いに補完し合って、高め合っている。エスプレッソとチョコレートのように単独でも楽しめるが合わせるとよりおいしく味わえます。おススメの読み方は一章ずつ交互に同時並行で読むことです。
2016/10/04
小梅
マーヴがあんなに良い人なのに何で?って感じです。 続いて辻仁成のBluを読みます。
2013/12/06
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
この本は江國香織さんとの出逢いの本。中学生の頃背伸びをして、寒空の下友達とふたりで観に行った映画がとても美しくて、そのままの印象で心にずっと残っている。 あの頃はまだ純愛に憧れていて、順正一択だったけど、今は断然マーヴ。120%ぐらいマーヴ(笑) 穏やかで満ち足りていて完璧に「幸せ」なミラノの生活は、絶望にけぶって寒々しく美しい。この人しかいない、と運命的に愛せる人が見つかる、というのは案外不幸なのかもしれないな、と悲しく美しい文章を読みながらぼんやり思う。文章を追っている時間を愛せる、思い出深い一冊。
2018/09/10
感想・レビューをもっと見る