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夏化粧 (角川文庫)

夏化粧 (角川文庫)

夏化粧 (角川文庫)

作家
池上永一
出版社
KADOKAWA
発売日
2010-05-25
ISBN
9784043647095
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夏化粧 (角川文庫) / 感想・レビュー

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ナイスネイチャ

読友さんの感想に惹かれて。産婆によって出産時に掛けられたまじないが原因で、息子が母親以外見れなくなってしまった。まじないを解く方法は「陰」の世界へ行き、他人の願いを七つ奪ってくること。下手すればエゴといわれてもおかしくないぐらい母親の子を思う気持ちの深さ。ラストは切ない・・・。残された子供は母親の暴走も受け止めるぐらいのおおらかな人々に守られて育っていくでしょう。南の島の空気感も良かったです。

2016/01/17

shizuka

大好きな一冊。幾度となく読んでいた。子を思う母の行動。許されない部分もあるけれど、それくらい激しい気持ちで母は子を守りたいと思うのであろう。傍若無人に振る舞ってきた母に訪れた最後の決断。そうなるのか。切ないが納得のいく終り方だと思った。残された子はきっと立派に育って行くはず。スピード感、展開、物語の作り方、そして沖縄の空気や文化も散りばめられていて申し分ない。読書初心者へ勧めやすい一冊。池上さん未読の方も是非。友へあげてしまったため、手元にはないのだが、また読みたくなってきた。そろそろ2冊目買おうかな。

2015/12/10

翔亀

【沖縄21】著者5作目の作品。第4作の沖縄本島の基地歴史改変ぶっ飛びSF「レキオス」(2000)のあと、再び舞台を神が身近に存在する石垣島に戻す。しかし石垣島とは明示されず「南の島」としか書かれていない。地形の描写は石垣島に似ているし、何よりさりげなく書かれる島の地名が明らかに石垣島に実在するのにである。なぜか。本書はSFだからである。シュメールや黄河文明を生んだ古代文明がこの地にあったという伝奇SFが導入される。しかしその代償は大きい。第1作や第2作(「バガージマヌパナス」「風車祭」)のような↓

2021/11/11

秀玉

風土が描かれた内容、ある女性の半生でも描かれているのかと想像していた。これはファンタジーと風習と風土、古代ロマンといったところか。それにしても作家さんの想像力に感服する。描写がすばらしい。まあ、産婆のオバアのこれでもかの悪戯?、それに翻弄される島民の若人。笑いもある。オバアの勝手な未来予想、取り上げた赤ん坊に、かけられる願い、戯れ言葉、それにしてもひどすぎる。たまったもんじゃない。神様もいちもく置く存在なのだからたまったもんじゃない。読み終わってしみじみ感じる、生きる思い、そうなりたいと思う願いは大事だ。

2022/12/30

あぶらや

沖縄にある星見石を題材にしたアドベンチャー小説とも言えるような物語。産婆のオバアの呪いにより母親以外からは見えない裕司を出産した津奈美は星見石の研究家の正徳から教わり祐司にかけられた呪いをとく方法を聞きだす。しかしそれは古代文明の持つ非常な方法だった。圧倒的なスピード感、沖縄の人々の感性。もうワクワクの連続でした。

2022/05/19

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