償いの椅子 (角川文庫 さ 46-1)
償いの椅子 (角川文庫 さ 46-1) / 感想・レビュー
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
五年前、銃弾を受け自らは車椅子の身に、そして信頼すべき人を失った能見。時を経て彼が復讐に立ち上がる。謎に満ちた五年前の事件。刑事、公安、かつての仲間、そして裏の組織が入り乱れる。能見は過去5年間いったい何をしてきたのか?事件の真相は?冒頭に何ら背景の説明がないままストーリーが展開し最初は少し戸惑ったが、徐々に事件の真相が明らかになるにつれて、ぐっと引き込まれる。骨の髄までハードボイルド極めてドライで冷酷な能見も姪っ子の梢を見る目は優しい。ヒリヒリとするストーリーの中で、彼女の存在が一服の清涼感。★★★★
2016/03/25
紫陽花
もらった本です。アクション推理小説といったところでしょうか。 登場人物が多く、人間関係や事件内容も複雑。話は現在から過去に飛んだり、主人公の立場の話かと思いきや他の登場人物がメインの話になったりします。読むのに苦戦しました。
2019/02/23
めぐ
以前読んだ「約束の森」が気に入ったので購入(こちらの方が先に書かれたものだった) 途中までは登場人物や関係の把握がしにくく長かったけれど、過去と現在を結びつけられてからは面白かった。能見の自分を律する厳しさと垣間見える優しさのアンバランスさが魅力的だ。(ハードボイルドは主役がかっこよくなきゃ!)身を隠している間の5年間に何を考え、どう過ごしていたかが明らかになると葬いの復讐劇に人間らしさが加わる。身に付けている小さな武器から大がかりなものまで、能見の仕掛けは私の好みだった。
2018/05/06
のり
五年の歳月を経て能見が戻ってきた。その理由は憶測を呼ぶ。死んだとされる秋葉は本当は生きてるのか。それとも復讐の為なのか。敵は警察内か、元仲間か。ハラハラしながらの読了だったが、元をただせば、皆ワルじゃないか。それでも、能見の身内愛だけは、真実だった。
2015/10/23
はつばあば
障害者だから何も出来ないと思ってはいけない。障害に甘えることが出来ない世の中だから。道一つとっても斜めになっているので車椅子などひっくり返り易い。そんな能見の地道な努力は復讐という目標があってこそ。公安と刑事課の仲の悪さはそれぞれの本で認識していたが、益々公安という部署がわからなくなる。警察の裏の顔が公安なのか。これからの社会はどうなっていくのか。格差社会、高齢者の増加、派遣社員、DVにイジメ。それでもまだ日本は住み易いと感謝すべきなんだろうか。責任を取る覚悟の本としては家族や友を思う優しさに溢れていた。
2015/03/29
感想・レビューをもっと見る