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グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)

作家
伊坂幸太郎
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2007-06-23
ISBN
9784043849017
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「グラスホッパー (角川文庫)」のおすすめレビュー

自殺屋、ナイフ使い、押し屋…生田斗真主演で映画化された「殺し屋」シリーズの第1弾! 殺し屋たちの「生」の物語を描いた『グラスホッパー』

『グラスホッパー』(伊坂幸太郎/KADOKAWA)

 世の中にはありとあらゆるビジネスがあるのだから、「人殺し」ビジネスなるものがあってもおかしくはない。伊坂幸太郎氏の『グラスホッパー』(KADOKAWA)は、人殺し業界(?)で生きる殺し屋の姿を描き出した作品。生田斗真主演で映画化されたことでも知られるこの作品は、『マリアビートル』『AX』と続く伊坂幸太郎の一大エンターテインメントシリーズ・「殺し屋」シリーズの第1弾でもある。

 主人公は元教師の鈴木。妻を殺された鈴木は妻の仇を取るため、非合法団体「令嬢」に忍び込むが、ある日、妻を殺した男が車に轢かれる瞬間を目撃する。どうやら事故ではないらしい。犯人は「押し屋」。交差点の車道などにターゲットを突き飛ばして殺害する殺し屋の犯行だという。鈴木は「押し屋」の正体を探ろうとするが、「押し屋」が妻と2人の息子を持つ父親だという事実に困惑。一方、相手を自殺に見せかけて殺害する「自殺屋」・鯨、巧みに人殺しを遂行する「ナイフ使い」・蝉もそれぞれの理由から「押し屋」を追っていた。

 描かれる殺し屋たちはみな個性的。「自…

2017/11/11

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フワちゃん「ブラピが伊坂に寄せてきてる!」伊坂幸太郎氏の『マリアビートル』が、ブラッド・ピット主演でハリウッド映画化!

 伊坂幸太郎の代表作の一つ『マリアビートル』が、ハリウッドで映画化(ブラッド・ピット主演)された。タイトルこそ『ブレット・トレイン』に変更されているが、ストーリーは意外なほど原作に忠実だ。以前から『マリアビートル』を熱烈応援してきたフワちゃんは、この日、伊坂と初対面でテンションもマックス! 『マリアビートル』&『ブレット・トレイン』の魅力を熱く語り合った。

取材・文:吉田大助 撮影:干川 修

映画『ブレット・トレイン』ポスター

『ブレット・トレイン』は、想像していたよりも『マリアビートル』だった

フワ はじめまして、フワと申します。よろしくお願いします! お会いできて嬉しすぎます。伊坂さんのことが大好きです!

伊坂 (笑)。いろんなところで応援してくださって、ありがとうございます。お会いできて嬉しいです。今日、フワちゃんさんに会うことを言ったら、息子に、「フワちゃん、父さんみたいな普通のおじさんとしゃべるの困んないかな?」と言われちゃって、何だか申し訳なくて。

フワ あははは!(笑) お父さんは、あたしが唯一進んで「さん」付けする、すごい人だよ!(笑)

伊…

2022/7/26

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「最高のエンターティナーにして、出版界のフランシスコ・ザビエル!」――フワちゃんが心酔する伊坂幸太郎はいろいろすごすぎる

インタビュー:フワちゃん

初めて読んだ大学1年生のときからずっと、“伊坂ハイ”が続いているというフワちゃん。スト-リーの面白さはもちろん、エンターテインメントとして、毎回違った趣向で読者を楽しませようとする、その姿勢から多大な影響を受けているという。人気YouTuberのフワちゃんが伊坂作品から受け取ったものとは?

伊坂作品は、価値観のジュエリーボックス とんでもない角度からの考え方を幾度となく見せつけられて、 影響されないわけないよね

東京都生まれ。大学在学中にお笑い養成所に入学、お笑いの道へ。コンビ解散後、ピン芸人として活動中の2018年4月にYouTube個人チャンネル「フワちゃんTV/FUWACHAN TV」を開設。現在、登録者数は59万人超え。バラエティ番組への出演多数。@fuwa876   

「すごいの、みつけちゃった!」って思った、初めて伊坂さんの作品を読んだのは大学1年生の春休み。巷のみんながあまりにも『アヒルと鴨のコインロッカー』がおもしろい!って言うので、ヴィレヴァンに行って探したの。

 あのヴィレヴァンの黄色のポップで…

2020/7/8

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グラスホッパー (角川文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

鈴木、鯨、蝉の三人の人物の視点から語られるという独特の手法をとるが、小説を統括するのは鈴木だ。小説の冒頭近くと末尾に、この物語の全体が鈴木の妄想である可能性を示唆してもいる。それは、この物語が善悪といった倫理規範を無視した暴力を描くことの、あるいは免罪符でもあるのだが。鯨、蝉、槿、鈴木の繰り出す暴力はそれぞれ質を異にする。もっとも鈴木のそれは極めて消極的であり、また彼は被害者でも加害者でもあるのだが。伊坂が理不尽なこの世に生まれ落ちた我々(作家自身も踏めて)に向ける視点は、明るいニヒリズムに他ならない。

2018/02/23

HIRO1970

⭐️⭐️⭐️図書館本。前半の関連性が解らないうちは、余りに殺しが多くてちょっと食傷気味でした。中盤以降関連性が見えてくると俄然読み進めるペースが上がるお話でした。3人の殺し屋が群集相のバッタが恰も共食いをする様に収斂して行くことでようやく本書の題名設定に合点がいきました。面白いけどこの手の作品は時々読むのが僕には頃合いかなと思えました。

2015/03/05

射手座の天使あきちゃん

暴力、殺人、詐欺、・・・あらゆる悪行と、「槿」ファミリーのハートフル?な雰囲気が同居した不思議な物語、後半の展開スピード感ありましたねぇ! 「増えすぎたバッタは・・・」 から、主人公の名前を日本一の名字にしたのかな!? <(^_^;   全国の鈴木さん、引き合いに出してゴメンナサイ! m(_ _)m

2011/05/26

せ~や

三人それぞれの視点で話が進んでいく。様々な専門家が現れてなかなか面白いけど、「押し屋」への持って行き方が、一人を除いてちょっと無理矢理な印象。ただ物語の中で、ほんの一行だけしか出てこない事を、後々しっかりと拾っていたり、伊坂さんの他の作品の事が物語の中に登場して、ちょっと感動しました。

2017/10/01

hit4papa

亡き妻の復讐に執念を燃やす元教師と、三人の殺し屋が織りなす著者お得意(?)の群像劇。殺し屋たちはそれぞれに魅力的なんですが、物語のキーマン「押し屋」の正体が受入れられるかで本作品の評価が決まってしまいそう。映画向きの作品なんでしょうね。

2016/07/21

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