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秋の牢獄 (角川ホラー文庫)

秋の牢獄 (角川ホラー文庫)

秋の牢獄 (角川ホラー文庫)

作家
恒川光太郎
出版社
KADOKAWA
発売日
2010-09-25
ISBN
9784043892037
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「秋の牢獄 (角川ホラー文庫)」のおすすめレビュー

翁面をかぶった男に脱出不可能な家に閉じ込められ――「読書の秋」にオススメの、ホラー&ファンタジー短編集

『秋の牢獄』(恒川光太郎/KADOKAWA)

 吹き抜ける風が冷たくなり、すっかり秋めいてくるこの時期、毎年、手に取りたくなる小説がある。それが、ちょっぴりゾクっとする短編小説が3作収録されている『秋の牢獄』(恒川光太郎/KADOKAWA)だ。

 本作に触れると、夏に読む怪談話もいいが、秋の夜長にホラーファンタジーを読みふけるのも乙なものだと、しみじみ思う。

 作者はデビュー作の『夜市』(KADOKAWA)で日本ホラー小説大賞を受賞した、恒川光太郎氏。同作以外にも、『草祭』(新潮社)や『雷の季節の終わりに』(KADOKAWA)など、短編、長編問わず、1ページ先の展開が読めないホラー&ファンタジーを多く生み出している。

 作者の作品はただ怖いだけでなく、登場人物の心理描写を通して、人間の弱さや強さなどを描き、心に深く残る。

 本作でも、その作風は健在。書籍名に「牢獄」とあるように、「閉じ込められる」をテーマに、唯一無二の世界観で読者を魅了する。

「翁」の面を被った男に家守を押しつけられて…  収録作の中でも、特に筆者が心惹かれたのは「神家没落」という物語。友人…

2022/11/11

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秋の牢獄 (角川ホラー文庫) / 感想・レビュー

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夢追人009

本書は11月になると読メの多くの方々がレビューを上げられるのを見てきましたので、いつかは必ず読まねばなと思い続けていましたので、今回今月中に読めてヤレヤレと肩の荷が下りてホッとしました。私が読んで一番びっくりしたのは表題作の短編「秋の牢獄」が暗く悲しく切ない物語だと思っていたのに実際は真逆のPOPでご陽気なムードのライトな幻想物語だった事ですね。これは状況的に見れば、11月7日に永遠に閉じ込められて明日へ進めない絶望的な話ですが、かといって幾ら嘆いてもどうしようもないので心情的に開き直るしかない訳ですね。

2021/11/23

yoshida

季節は秋。昨年の秋に読もうとして、読めなかった本作を遂に読了出来ました。短編を3編収録。共通して流れるのは「囚われる」こと。標題作では11月7日に囚われてしまう。更に主人公以外にも囚われる人々がおり、小さなコミュニティをなす。世界観に唸らされる。「神家没落」では家に囚われる。儚さと家を受け継ぐ資格の無い人物に、譲り渡した不幸。ラストは圧巻。「幻は夜に成長する」では、能力者がカルトに囚われる。リオはとある人物から能力を受け継ぐ。その後カルトに囚われ内なる「怪物」を育てる。圧巻のラスト。3編外れなしの短編集。

2016/10/28

美紀ちゃん

【秋の牢獄ツアー参加♪】リプレイヤーになったら、何をしようか?と初読みの時はわくわくしたけど、今日は11月7日なので、本当に明日が来るのか?恐さがある。2013年の11月7日は、雨で寒い一日だった。

2013/11/07

小梅

やっとこの世界に入る事ができました。11月7日から脱出できる時は現実世界に戻れる時?それとも…今日寝てしまうのが怖いです。

2015/11/07

サム・ミイラ

すべてはなにかに囚われし者の物語。絶望と救いと少しの希望。自由との対極。夜市とはまた違う感覚。三つの話はもしかすると自由に生きているはずの私達への揶揄なのかも知れない。それこそが錯覚なのだと。安部公房の砂の女を思い出す。好みとしてはやはり表題作か。このストーリーは北村薫の「ターン」に着想を得ているように思うが捉え方の違いが非常に面白い。最後にひとつ。寄り道はせずまっすぐ帰りましょう(笑)

2018/10/10

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