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悪果 (角川文庫)

悪果 (角川文庫)

悪果 (角川文庫)

作家
黒川博行
出版社
KADOKAWA
発売日
2010-09-25
ISBN
9784043943814
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悪果 (角川文庫) / 感想・レビュー

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サム・ミイラ

疫病神以外の作品も読んでみたくて評判の良いこの悪果を選びました。結果は大正解!当初はどことなく桑原と二宮に似た不良警官コンビのドタバタをコミカルに描いた物語だと思いましたが、何でもないような話が実は非常に入りくんでおり、謎はどんどん膨らんできてのっぴきならない事態に追い込まれていく過程がリアルで目の離せない面白さ!かなり難しい内容ですが私は疫病神シリーズより好みでした。刹那的で厭世的なラストはやはりこの作家ならではの感。見習いたくない金銭感覚も特徴のようですね(笑)

2015/02/22

遥かなる想い

大阪を舞台にした警察官たちの物語である。 軽快な大阪弁が心地よく、任侠映画を 見ているような感覚になる。 悪徳の限りを尽くした警官たちが 妙に人間臭く 楽しい…本物のマル暴担当の 痛快な物語だった。

2022/09/05

Shinji Hyodo

またもや黒川さんの極道物語を読む。がしかし、今作は刑事が主人公…言わば極道刑事(デカ)の物語だった。疫病神シリーズでも登場していたし、多くの刑事物にもデカと極道の癒着は付き物で、情報(ネタ)元とデカの丁々発止のやり取りなどはごまんと読んで来たのに面白い。デカのシノギとはどう言うこっちゃ?給料だけではネタも取れない?金星なんぞ挙げられるわけが無い。そのためには裏金が必要や…裏金はどないして稼ぐんや?極道以上にシノギが大事なんや…マル暴デカの暴走が止まらない。

2017/02/10

修一郎

悪いやつから搾り取ろうと自分シノギに精を出すエゲツないマル暴刑事が主人公だ。大阪にはこんな悪徳警官がいるんやねぇ…と思わせてしまうリアリティ抜群の描きっぷり,ちゃんと読んだからオレもガサ入れできるんじゃね,と錯覚してしまう濃密描写がいつも通り圧巻の読み応えだ。300ページ過ぎてもまだコトが始まらないこの長~い布石と、お約束の破滅に向かうストーリー展開でへへぇと読み疲れてしまうほどのボリューム感だった。黒川博行さんは権力を隠れ蓑にしてワルイことをする警察組織が大嫌いだと聞いた。やっぱり面白いね! 続編へ…

2015/12/26

chiru

ピカレスクロマンを思わせる警察小説。暴対係2人の刑事を中心に描く大阪府警の闇の深さといったら…フィクションだとわかってても全然笑えない。作中で『汚職警官よりヤクザのほうが行儀がいい』と言わせるくらいの癒着と堕落。正義感の強い刑事や記者が一人もいないのもリアル。賭場のキックバックと強請りで懐を膨らませ、堕ちるところまで堕ちる悪徳刑事。入り口は『正義』なのに『罪人』として署を出て行く矛盾がやりきれないけど、実際は氷山の一角なんだろうな。不都合に目をつぶる警察の負の一面を告発するような物語。 ★3

2019/04/03

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