KADOKAWA Group

Facebook Twitter LINE はてブ Instagram Pinterest

きりこについて (角川文庫 に 19-1)

きりこについて (角川文庫 に 19-1)

きりこについて (角川文庫 に 19-1)

作家
西加奈子
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2011-10-25
ISBN
9784043944811
amazonで購入する Kindle版を購入する

きりこについて (角川文庫 に 19-1) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

ヴェネツィア

西加奈子というのは、極度に振幅の大きい作家のようだ。すなわち、いい時にはこの人にしか書けない独特のペーソスに溢れた小説を書く一方で、不調の時には目も当てられない。それでも書くのはプロの作家らしくはあるのだが。さて、本作はその残念な方の西加奈子である。主人公のきりこのデフォルメにしてもそうだが、出てくる人物たちのことごとくがステレオタイプを脱することができないままで終わってしまう。猫のラムセス2世もまたしかり。俄かに語り手に据えたところで、いかほどの効果を上げるわけではない。

2020/03/17

ehirano1

薄い本、やはり恐るべし!読感は「うまい!」としか言い様がありません。そして何処からか「そうなること(=当方が”うまい!”言うこと)は分かっていたよなぁ!」「わかっていたよなぁ!」とラムセス2世とその他面々の猫達が当方に向かって言っているのが聞こえたような気がしました。お勧めです。

2017/10/07

射手座の天使あきちゃん

「ブス」これほどの侮蔑語があるでしょうか? これは先が思いやられるなぁと読み始めましたが、きりことラムセス2世のおかしな大阪弁の掛け合いに大爆笑!! 最後の方は「えっ、いったいどこ行くん!?」ってぐらいアブナイ感じもしましたが、「世界は肉球よりもまるい」、「容れ物も中身も込みで自分!」など名言に溢れていました(笑)。 ところでなんで表紙のラムセス2世はピンクなん? <(^_^;

2014/06/08

hit4papa

自分は可愛いと思っていたら、小5でぶすだと気付かされた、きりこ。本人と周りの勘違いで、それまでリーダーシップをとっていたきりこですが、長づるに従って人気者からどん底人生へまっしぐらです。ここまでか!と思うほどの”ぶす”描写は、迫力満点。なるほどと納得せざるを得ません。親友、天才猫のラムセス二世との交流が笑えます。ついに引きこもりとなったきりこ。ひとつの出会いから人生の転機を迎えます。長じたきりこが色々学んじゃう人生の教科書的な作品です。前半の飛ばし気味の笑いは失速するものの愉しく読ませていただきました。

2018/04/16

おかむー

『きいろいゾウ』でも思ったけれど、一概にファンタジーと括ったらなんか違う不思議な西ワールド。前半は毒なのか愛なのか入り混じったのどかなようで容赦ない物語が展開されるけれど、どこへ向かっているのか見当がつかなくて困惑。でもきりこが予知夢でちさを救う後半からガラリと印象が変わってやけに引き締まる。よく使われる「ありのままの自分」とも少し違う「容れ物も中身も込み」に辿り着く展開はスッキリと収まりがよいね。前半のワケわかんなさに読みづらい傾向はあるけれど、最後まで読みきる価値のある作品でした『よくできました』

2014/05/12

感想・レビューをもっと見る