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欲望会議 「超」ポリコレ宣言

欲望会議 「超」ポリコレ宣言

欲望会議 「超」ポリコレ宣言

作家
千葉雅也
二村ヒトシ
柴田英里
出版社
KADOKAWA
発売日
2018-12-21
ISBN
9784044002121
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欲望会議 「超」ポリコレ宣言 / 感想・レビュー

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キク

ゲイの哲学者、フェミニストの美術家、女性の能動性に拘るAV監督による、「欲望する人間であり続け、生と性を肯定する」為の対談集。ここまででかなり濃いけど、中身も濃厚だった。「少女マンガという恋愛ポルノと、少女達の自己肯定感の低さには関係性があるんじゃないか?」「ネトウヨは、リベラルが自分達に怒ってくることで興奮している。ネトウヨの排他性にカッとしてしまうと、連中を発情させるだけなので、理性で根気よく諭すしかない」「他者を殱滅しようとしないためには魂の強さが必要。そして魂が強くないと他者とのエロスも築けない」

2023/02/01

ころこ

ポリコレは欲望を否定しているようにみえます。しかし、人間が社会的生物であるということは、(性的な)欲望によって駆動された人間関係や物の所有を肯定する立場に立つということです。3人は、ポリコレによる欲望の否定は、むしろポリコレによる歪んだ欲望の発露だとみています。ところが、3人の立場の違いは、欲望を素直に肯定して、新たな規範を定立すると必ずしもならないところにあります。当然、実存に対してポリコレは通用しません。本書が意外と奥深いのは、欲望を抑圧して何かを生み出す精神分析的な解釈を楽しんでいることにあります。

2019/02/12

akihiko810/アカウント移行中

AV監督(二村)、ゲイの哲学者(千葉)、フェミの美術家(柴田)が、metoo、フェミの炎上、ペドフェリアとLGBTなどについて語った鼎談。印象度B  二村が出てる本なので古本でざっと読んだ。昨今のいきすぎたポリコレ問題について疑問を呈し、社会から漂白されている「欲望」について語った本、といえばいいのか。話が多岐にわたっていて要約しづらいが。 ツイフェミ(ツイッター上の自称フェミ)にについては不快、というか馬鹿馬鹿しくて宮台が「クソフェミ」と名付けたことに頷くことも多々あるが、私の興味の範疇ではないので(続

2022/04/11

ケー

本書に掲げられている「欲望」とは性に対する欲望のこと。この難題に哲学者、現代美術家、AV監督という立場も経験も違う3人が語り合う。一番尖っていたのは炎上を恐れず、かつ筋の通った発言をする柴田英里さん。二村さんは思っていた以上に正論というか、割の常識的な発言が多め、その2人を間を上手く取りつつ、自身の環境を元にクリティカルな提言をする千葉さん、とキャラクターが違う3人だからこそ刺激的。Metoo、『ゆらぎ荘の幽奈さん』、心の穴、お母さん保守‥‥テーマが非常に豊富で議論のたたき台としてもいいかもしれない。

2019/01/22

みのくま

大抵のジェンダーやセックスを語る言説は、どこか定型化されていて自分と直接関係があるとは思えなかった。本書でいうところの、無意識の無いポリコレに支配された言説だったからだ。しかし、例えばセックスや性欲とは、そもそもそんな清潔なものなのだろうか。異性を、同性を、子どもを、自分をぐちゃぐちゃにしたい欲望を、見て見ぬ振りをして本当にセックスや性欲を語った事になるのだろうか。本書は、これらの問題提起を真っ直ぐに受け止め、深い所まで議論を進めている。このポリコレ全盛期にこのような本が世に出た事に感謝を。素晴らしいです

2019/01/26

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