ふたつのオリンピック 東京1964/2020
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「ふたつのオリンピック 東京1964/2020」のおすすめレビュー
日本人も知らない、戦後日本の裏話…1964年と2020年、ふたつの“東京五輪”の狭間で変わりゆく日本人の姿
『ふたつのオリンピック 東京1964/2020』(ロバート・ホワイティング:著、玉木正之:訳/KADOKAWA)
2020年のオリンピックまで2年を切り、今、東京は変革の真っ只中にある。五輪関連施設の建設が急ピッチで進むだけでなく、JR山手線の品川新駅(仮称)の暫定開業をはじめ都内各地で続々と進む大規模な再開発。「数ヶ月前と景色がまるで違っていた!」なんてこと、現在の東京では珍しいことではない。
実は1964年の東京オリンピックのときも同じことが起きていた。しかも戦後復興の象徴として、急ピッチで東京が近代都市に変貌していく勢いは、現在よりさらに凄まじいものだったという。なにより強烈なのは、その騒音と臭い。どこにいっても混雑&交通渋滞! 銀座のど真ん中にもセメントの臭いが充満し、大気中の有害物質から身を守るため、交通警官は酸素ボンベを携帯し、歩行者はマスクをつけていたという…(ちなみにまだ下水道の整備が十分ではなく、河川からは悪臭。郊外で汚物は畑にまかれ、どこもひどい臭いだったとか)。
そんな「変貌する都市」である東京のダイナミズムを半世紀にわた…
2018/10/29
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ふたつのオリンピック 東京1964/2020 / 感想・レビュー
starbro
図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。ロバート・ホワイティング 、初読です。「二つのオリンピック 東京1964/2020」というタイトルからオリンピック 中心の内容かと思いきや、東京のアメリカ人、著者の自伝的ノンフィクション 、半世紀に渡る東京の社会風俗史でした。私が生まれる前の内容もあり、興味深く読みました。著者は、半世紀もの間日本に暮らし、プロの物書きなのに、日本語で書かないのは何故でしょうか?11月は、本書で読了です。
2018/11/30
kinkin
『菊とバット』『東京アンダーワールド』などの著者であるロバート・ホワイティング氏。彼が日本へ来日した1960年代から現在に至るまで様々な人との交流や世相を交えた日本の文化、野球、事件などが綴られていた。また「ガイジン」としての自身が日本という国の中で体験談も混じえている。興味深かったのはプロレスの力道山の記述。プロレスではスターだった彼も私生活では全く違う一面を持っていたことや読売ジャイアンツに在籍した王・永島選手の比較など。全581ページダレることなく読むことができた。図書館本
2018/11/01
AICHAN
図書館本。将棋盤のように分厚い本。ロバート・ホワイティングの著書は『菊とバット』『和をもって日本となす』『東京アンダーワールド』を読んだ。この本は、氏の半生を綴ったもので前記3著作の集大成的な内容でもある。半世紀に渡って日本を見てきた氏の日本観が展開される。米軍の諜報員としての秘密の作業、日本の裏社会の実態等々、実に興味ある内容もあり面白かった。読んでも読んでも将棋盤をカンナで削るような具合でなかなか先に進まず、読了するのにすごい時間をかけてしまった。「巨人の星」のストーリーが間違っていたのが残念。
2020/01/10
fwhd8325
著者の代表作は「東京アンダーワールド」「東京アウトサイダーズ」だと思いますが、この作品は集大成と言っていいのでしょう。野球や政治、アンダーグランドな世界。まさに忖度のない現代史だと思います。日本のジャーナリストも爪の垢程度でいいから、この精神を持っていれば、日本はいい方向に進んでいたかもしれません。石原慎太郎がオウム真理教に関わっていたという記述があるのですが、当時、どこかで聞いた記憶があったのですが、やはりそうだったのかと、個人的に強く印象に残りました。
2019/01/19
ホークス
2018年刊。日米のスポーツと文化、政治と裏社会をテーマとする著者の自伝的現代史。1962年に米兵として20歳で来日。数々のろくでなし、ヤクザ、権力者、賢人と出会う。尊大や冷酷、依存や差別にまみれる様子が凄まじい。「空気」を尊ぶマジョリティとも交流するが、「空気」に沿えないガイジンはいつもアウトサイダー。「空気」の苦手な私も覚悟を新たにした。清濁の丸ごとが人生であり、著者の「濁」には歴史が凝縮されている。本書は特異な戦後史なので、真偽も含めて読者個々が評価すれば良い。分厚くて読み応えがあった。
2021/05/05
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