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稲生物怪録 (角川ソフィア文庫)

稲生物怪録 (角川ソフィア文庫)

稲生物怪録 (角川ソフィア文庫)

作家
京極夏彦
東雅夫
出版社
KADOKAWA
発売日
2019-07-24
ISBN
9784044004972
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ジャンル

「稲生物怪録 (角川ソフィア文庫)」のおすすめレビュー

まるでおばけのカタログ!「稲生物怪録」は妖怪好き必読の基本文献だ

『稲生物怪録』(東雅夫:編・京極夏彦:訳/KADOKAWA)

 江戸時代中期、現在の広島県三次市でとんでもない騒動が巻き起こった。

 武士の少年、稲生平太郎の家に夜な夜な妖怪が現れて、1か月にわたって彼を脅かし続けたのだ。今日では一般に稲生物怪録(いのうもののけろく)と呼ばれるこの騒動は、人名や地名がはっきりと特定されていること(平太郎は実在の人物である)、事件のスケールが大きいこと、出現した妖怪のバリエーションが豊富で、数も多いことなどから、日本最大・最高の妖怪伝説ということができる。

 古くから人びとの関心を惹きつけており、巌谷小波、泉鏡花、稲垣足穂、水木しげるなど名だたる文豪・マンガ家たちも、稲生物怪録をモチーフにした作品を残してきた。

『稲生物怪録』(東雅夫:編・京極夏彦:訳/KADOKAWA)は、この出来事を知るうえで欠かせない基本文献を収録した画期的アンソロジーだ。

 稲生物怪録を記録した文献としては、平太郎本人が書き残したとされる「三次実録物語」と、平太郎の同僚だった武士がまとめた「稲生物怪録」の2つがあるが、本書はその両方を親しみやすい現…

2019/8/1

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稲生物怪録 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー

powerd by 読書メーター

榊原 香織

何なんだこれは  1749年、広島県山間部の三次、稲生家に1か月にわたってありとあらゆる妖怪が出る。 今なら統合失調症扱いだけど、平田篤胤が、これは本物だ、なんて太鼓判(彼は変わってるから)。 京極夏彦が現代語に翻訳。巻末、Peter Bernardの英語解説おまけつき。 現場、三次の妖怪ミュージアムにて購入。

2021/05/23

鱒子

以前から読みたかったけれど手に入らなかった「稲生物怪録」が角川ソフィア文庫で出版されるとは!ありがたやありがたや。「三次実録物語」と「稲生物怪録」の細かな点が一致しなかったり、巻物の文章と絵が微妙に違う点は多々あります。しかしストーリーにワクワクし、伸びやかな妖怪の絵に見惚れてしまいます。絶賛です。めっちゃおもしろい!!

2019/10/12

coolgang1957

へ〜、割と有名な話やったんですね。京極夏彦センセのフィクションかと勘違いしてました。江戸や明治時代も現代もいろんな有名な作家が題材にしてるのも全っ然知りませんでした🤔絵巻では、妖怪の赤ちゃんの目が可愛くて笑った😄し、平太郎が肝が据わってて怪異にも驚かずに、何事もなくすやすや寝てしまうのも笑った😅 いや面白い本です。ヒバゴンの山も近在なのできっと妖怪に好かれた地やったんでしょう。ヒバゴンは、山本五郎左衛門に置いて行かれた妖怪やったのかも😆

2021/01/21

なつ

武家の息子である平太郎が、肝試しをきっかけに妖怪に遭遇するなど奇怪な現象にあう。怪異譚ではあるけど平太郎の性格もあり、展開は恐怖しながらもどこかコミカル。何が起きても寝ることに帰結する彼には感服。鈍感なのか肝が据わっているのか・・・ 妖怪達もどこか憎めなくてユーモラスです。絵巻物も眺めて楽しい。

2021/01/23

イトノコ

1749年。三次藩(現広島県)に住む平太郎は、肝試しをきっかけに1月に渡り怪異に襲われることに。その端末を記した稲生物怪録を現代語訳。京極夏彦さんの名前に惹かれて購入。次から次へと起こる怪異に対し、しかし少しもビビらず華麗にスルーする平太郎にそりゃ魔王も困り果てるというもの。一方の怪異の方も直接危害を加える気もないようで(舐めまわしたり部屋を掃除したり、床がベタベタしたり…)冒頭の絵巻を見てもなんだか間が抜けててユーモラス。ホラーながら楽しめた。ところで「ぬら孫」の山ン本さんの元ネタはこれなのね。

2019/11/24

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