美しい日本の私 (角川ソフィア文庫)
美しい日本の私 (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー
双海(ふたみ)
以前どこかで読んだ文章だな、というものもありましたが、面白く読みました。川端先生の尊さを再確認しました。
2015/05/04
アキ
1968ノーベル賞受賞時のスピーチ。川端は「日本の美と私」という題を「美しい日本の私」に変えた。翻訳者サイデンステッカーはJapan the Beautiful and Myself とそのまま訳す。日本美術の特質を「雪月花の時、最も友を思う」という詩語に約めた。また源氏物語を日本の物語文学の極まりとした。この2年後に三島が割腹自決し、4年後に川端も自殺して果てた。サルトルが賞辞退の際「私はサルトルであり、ノーベル賞サルトルではない」と述べた。死の前年に受賞したかったとは川端の言葉でもの哀しい。英訳あり。
2018/10/08
ちゃっぴー
ノーベル文学賞受賞記念講演「美しい日本の私」と随筆集。自然と結びついた美しい日本の美。端正な文章で書かれている。「雪月花の時、最も友を思う」四季折々の美に自分が触れ目覚める時、親しい友が切に思われ、このよろこびを共にしたいと願う。美の感動が人なつかしい思いやりを強く誘い出す。
2018/04/20
双海(ふたみ)
最近、連綿体の”かな”の美しさと、平安時代の女性の黒髪の美しさの関連について考えるともなく考えておりました。この二つを関係のあるものとして考えるなどというのは私の戯れに過ぎませんが、似たようなことを川端さんも考えていたことに驚きました。本書は再読だそうですが、初読時のことはすっかり忘れておりました。
2018/10/05
HERO
控えめな自慢のように感じてしまった。「源氏物語」を最高の文学とし、「もののあはれ」の美観を日本の誇りとしている氏にしては少し独善的に思えた。しかし、日本の原風景と寂寥はとても美しく言い表しており、氏の筆力に感服した。
2015/11/24
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