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なんでもないもの 白洲正子エッセイ集<骨董> (角川ソフィア文庫)

なんでもないもの 白洲正子エッセイ集<骨董> (角川ソフィア文庫)

なんでもないもの 白洲正子エッセイ集<骨董> (角川ソフィア文庫)

作家
白洲正子
青柳恵介
出版社
KADOKAWA/角川学芸出版
発売日
2015-04-25
ISBN
9784044094836
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なんでもないもの 白洲正子エッセイ集<骨董> (角川ソフィア文庫) / 感想・レビュー

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井月 奎(いづき けい)

白洲雅子の骨董にまつわるエッセイのアンソロジーですが、「物論」と思ったほうが気持ちよく読めます。彼女の審美眼と思い切りの良さ、屈託のなさが小気味いいです。人が使うからものは育つ、そして良くないものは馬脚を現すという意味のことを言っていますが、それは同感です。彼女ほどの経済的余裕がある人は少ないでしょうし、人脈もまたしかり。でも自分の好みを知り、身銭を切って好みのものを買い、失敗して、成功していくことが人生を豊かにするのです。なかなか読ませてくれました。

2022/09/15

厩戸皇子そっくりおじさん・寺

【読メ上品部】先日、中谷美紀が白洲正子を演じた写真集を見て以来、ご本人が気になっていた。骨董には関心が無いが面白い。「物はただ美しくありさえすればそれでいい。時代や作者を気にするのは、自分の眼に自信のない証拠かも知れない。勿論、学者は違う。学者はそれが商売だから、美などにかかずらっていては、客観性を失うと思っている。我を忘れて、物にほれこむことができないとは、何という気の毒な人たちだろう」何だか良い。もう少し白洲正子を知りたい。国宝なぞ焼けても構わないと言った坂口安吾の真逆の人と言おうか。

2015/06/23

小林秀雄をして『おそろしい素人』といわしめた白洲正子。本作は彼女の〈骨董〉にまつわるエッセイを集めたもの。身近な話題なのでよみやすかったです。「骨董屋さんは、物を造る人達ではないが、物を扱う点では同じである。そこに美というあいまいなものと、金というはっきりしたものがからまるから、事は面倒になる」「古くて新しいものが骨董だと私は思っている」「ただ長い歴史に培われた日本の伝統を知らしめて、お互い歩みより、豊かな生活をたのしむことがこれからの使命であると思っている」うーん、得るもの多し!他作も読み深めたい人物。

2015/07/12

Sakie

先日、実用にしなそうな漆芸の箱に惚れ、迷いに迷って購入を申し出た。結局は抽選に外れて手に入らなかったのだが、待っている間に白洲正子の「買ってみなきゃわからないのよ」を思い出した。各媒体に書かれたエッセイ。このざっくばらんな、真実を言い刺すような物言いが好きで、憧れる。先の名言は、続けて日常に使うことをも勧める。使ってこそ眼は養われ、日々の愉しみは増し、ものに味がつくのだと。陶磁器や工芸品、古道具は年々好きになっていて、安いものから気張ったものも、遅まきながら好事家になってみようと、こっそり企んでいる。

2024/03/18

sheemer

エッセイ集で、見えない写真もある。写真を探して一緒に見るのが吉。 短いエッセイだが濃いので読むのに時間がかかる。それが楽しい。 白洲正子は自由だ。型にはまらない、独自の美意識。おちゃめ?でクール。シンプルで美しいものが好き。 骨董は付き合うもの。使うもの。ガラスの向こうにあっては死んだも同然。なんでも使ってみる。 難しいことは言わない。いいものはいい、と見えているだけ。その「見える」がすごい。 漫画は嫌いではないらしい。恐ろしいくらいの教養をなんでもなく自分のものとして使いこなし、はっきりとモノを言う人。

2023/06/14

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