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死者の書(下) (ビームコミックス)

死者の書(下) (ビームコミックス)

死者の書(下) (ビームコミックス)

作家
近藤ようこ
(原作)折口 信夫
出版社
KADOKAWA/エンターブレイン
発売日
2016-04-25
ISBN
9784047340589
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死者の書(下) (ビームコミックス) / 感想・レビュー

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HANA

上巻に引き続き著者の独特の絵柄に魅了されつつ読む。ただやはり大津皇子の場面がほぼ省かれており、中将姫の行動が中心。目覚めた大津皇子との交感というより、大津皇子と山越え阿弥陀来迎が同一化されてる気がするなあ、本書の中では。折口の『死者の書』とは違った読後感ながら、平城の上古の昔に遊ぶような趣は両者共に共通している。ただ最後、折口の贅を尽くした当麻曼荼羅の描写に対して、姫の行動を持ってきたため、その部分を読む感じは随分と違ってみえる。本書を読んでその世界に嵌れた方は、是非とも小説も読んでもらいたいなあ。

2022/04/02

はつばあば

古代へと、曼荼羅、当麻寺へとこの本が誘ってくれる。仏の教えの道筋が・・

2016/07/08

井月 奎(いづき けい)

蓮の糸で袈裟をつくり上げ、曼荼羅としてそれを当麻寺にのこした中将姫のひたむきな姿はまわりの者たちの心を打ちつつも不思議の念をも抱かせます。姫にしか見えない阿弥陀ほとけの肩にかけるための、風をよけ、寒さを和らげるための袈裟をつくる姿に意味を見出すことはできません。中将姫の目に見える清く、美しい仏は他の人々には見えないのですから。姫はただただ、自分の目と心の赴くままに織り、断ち、縫い上げるのです。彼女の叔父、藤原仲麻呂の言葉、「これはもう、人の手にはもどらんかもしれんぞ」その通りに姫は涅槃へと歩き出すのです。

2019/02/17

澤水月

蓮の茎から五色の糸を取り、布を織る絵本を昔読んだがこの原作も同じ話をタネにしているのだろうか。簡素ながら美しい古代幻想、郎女の行方の儚さも含め雄大な空気に飲み込まれる思い

2016/05/08

kasim

折口信夫の原作は憧れつつも未読。近藤さんが漫画化したと知り、わくわくして手に取った。清潔で知的、しかも官能的な著者の絵の不思議な魅力は相変わらず。幻の海辺の白玉を拾い、蓮の糸で布を織る郎女の居場所は人の世にはないのか。大津皇子は切なくも怖い。自分なりの解釈に過ぎないという誠実な後書きつき。こちらも充分難解ですが、輪郭くらいは掴めたかな? 

2021/03/04

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