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高丘親王航海記 I (ビームコミックス)

高丘親王航海記 I (ビームコミックス)

高丘親王航海記 I (ビームコミックス)

作家
近藤ようこ
澁澤龍彦
出版社
KADOKAWA
発売日
2020-09-12
ISBN
9784047362253
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高丘親王航海記 I (ビームコミックス) / 感想・レビュー

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HANA

澁澤龍彦の名作を近藤ようこが漫画化。原作は大蟻食いとの会話や単孔の女等からどちらかというと澁澤らしい博物誌的なディレッタンティズムと硬質さを感じたものだけど、近藤ようこの絵でみるとそれらがどこかふわふわとして幻想性を帯びてくるのが不思議だなあ。特に冒頭の薬子が月に向かって玉を投げるシーンとか、蟻塚の玉を取るシーンの奇妙な寂寥感といったら。原作は現実の地でありながら現実の地ではない、地続きでありながら空想の地を旅しているような、どこか山海経を思いながら楽しく読めたが、それが違った形で読めるのは楽しみである。

2023/03/03

ぐうぐう

近藤ようこが『高丘親王航海記』をコミカライズする。澁澤龍彦と近藤ようこ、このタッグの発想がこれまで自分になかったことが悔しい。それほどに近藤が描く親王の旅の描写は素晴らしいのだ。ストーリーや台詞は原作に忠実でありながら、画や構図はいつもの近藤タッチであり、殊更原作に寄せようとはしていない。それでいて、原作の世界観や空気といったものがまったく損なわれていない事実は、近藤の素質がもともと澁澤のそれと似ているということなのだろう。(つづく)

2020/09/13

阿部義彦

澁澤龍彦ファン必読。澁澤さんの遺作「高丘親王航海記」を近藤ようこさんが漫画化しました。原作を読んでましたが、ほぼ忠実に誇張すること無く筆を運んでます。薬子との寝物語から物語は始まり。みこの天竺への旅が始まります。一気に物語に引き込まれて夢幻をさまよいます。儒艮のなんともユーモラスな表情が良いですねえ。

2021/01/24

りらこ

澁澤龍彦の本から漫画、退廃でお耽美?と勝手なイメージでしたが読んでみたら、漫画としても良いし話としても面白い。淡々としていながら、風や水の冷たさや不思議な雰囲気で包まれている。ジュゴン=儒艮なのはこの本で知った。オオアリクイとの哲学的な対話。この世に生きている存在なんて塵みたいなものなのかも。

2022/12/24

てんてん(^^)/

うちの相方が澁澤龍彦のファンで、原作は家にあるものの未読。まずは表紙の親王の虚ろと言ってもいいような表情にはっとする。9世紀という時代に、天竺へ行こうと決心した人の顔にはとても見えなかったからだ。12歳で廃太子されて、10年後には落飾して僧となった親王には、生きる目的や夢などというものがなかったのかもしれない。それ故に8歳で出会った、この世の人とも思えぬ美しい女性、藤原薬子の強烈な印象が親王の心にずっと焼き付いてしまったのだろうか。(続く)

2020/11/02

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