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セーラー服の歌人 鳥居 拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語

セーラー服の歌人 鳥居 拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語

セーラー服の歌人 鳥居 拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語

作家
岩岡千景
出版社
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
発売日
2016-02-09
ISBN
9784048656320
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セーラー服の歌人 鳥居 拾った新聞で字を覚えたホームレス少女の物語 / 感想・レビュー

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ハイランド

彼女が生きてきたその壮絶な半生に言葉を失う。今の日本にこれほどのことが本当にあるのかという衝撃を受けた。彼女の痛み、哀しみを理解できるとはとても思わないが、彼女の紡ぐ歌は心に響いてくる。母を、友を目の前で失い、壮絶ないじめ体験をし、心許せる人を全て失っても、歌を詠むことで彼女は生きてきたという。短歌という非常にマイナーな文学が、これほどの力を持つ言葉を生み出すのだという驚き。よくぞ彼女を世に出してくれた。そして同時に今の日本の抱える矛盾と、我が無力を思い知らされる。実体験に基づく言葉の力に圧倒された。

2017/01/20

美登利

短歌について昔からのイメージが変わりました。この読メでも短歌の歌集が出るように、多くの人に目に触れるようになった気がしています。鳥居さんの短歌も穂村さんの本で見かけたことが有ったような記憶が。タイトルからずっと路上生活だったのか?と思いましたが、家が無いという意味なんですね。施設や里親宅でのいじめ、不登校、親と友達の自殺。祖母親戚との軋轢。彼女には幼い頃から居場所が全くなかった!PTSDを患う彼女が見つけた短歌の世界。同じような境遇の人々に生きる力を!鳥居さんは親や祖父母との思い出を大切に生きているんだ。

2016/06/29

扉のこちら側

2016年535冊め。新聞で読んでから気になっていた著者。以前、論文執筆の際にいくつかの日本の児童相談所と児童養護施設に出入りをさせてもらったのだが、様々な境遇の子どもたちに出会った。外部の研究者に協力してくれる施設だから、それは熱心な養育をされる施設だったのだけれど、このような施設があることも事実。「生きづらさ」に「短歌」。歌集は積読中で読むタイミングを計っている。

2016/07/10

しいたけ

怒りでどうにかなりそうだった。福祉の現場にいる者として、鳥居さんが受けた施設内虐待について謝罪の言葉すら組み立てられない。想像力のない、余裕のない、人としての真の知性のかけらも持たない卑しい大人が、鳥居さんの傷に塩を塗る。マスコミに名が出るとまた、誹謗中傷が寄せられる。世の中はいつからこんなに醜くなったのか。満身創痍の彼女が、それでも世の中と繋がりたいと、底辺で生きる人に寄り添いたいと切望していることにこそ光を見る。

2016/05/17

nyaoko

「キリンの子」と合わせて購入。歌人・鳥居の壮絶な半生を取材した手記。以前、「最貧困女子」を読んだ時にも思ったのだが、目に見えない病気を抱えていたり、地位や学歴、お金のない社会的弱者に世間の目はとてつもなく冷たい。鳥居は己の境遇に悲観しても、決して過去からは逃げず、あの時、あの場所、あの思い、それらを歌に起こして訴えてる。私は生きている。私はここにいる。私は学び続けたい。私は笑いたい。私は誰かと繋がっていたい。文字で意志を伝えようとする彼女の活動がこれからも続いて行く事を願う。言葉の力は素晴らしい。

2016/03/21

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