三日間の幸福 (メディアワークス文庫)
「三日間の幸福 (メディアワークス文庫)」のおすすめレビュー
ヨルシカの音楽を創る2人は、どんな本を読んでいる?――n-buna「良い文章からは季節の匂いがする」 suis「何度も読み返した漫画」
選びぬかれた言葉で構築された歌詞、楽曲に通底する物語性──。ヨルシカの音楽を創る2人は、どんな本を読んでいるのか? 深く心に残っている本について伺った。
n-buna 「良い文章からは季節の匂いがします。僕が山頭火、放哉、子規、井月といった俳人が好きなのも、作品の根底に言葉の匂いが在るからです。下手に難解な語彙を駆使しなくても、何気ない一文で情景の浮かぶ文章がこんなにも世の中には溢れている。宝探しみたいで良いですよね」
『ブラフマンの埋葬』 小川洋子 講談社文庫 400円(税別) さまざまな芸術家がその仕事を行う「創作者の家」で働く〈僕〉の元に、傷を負った小さな動物〈ブラフマン〉がやってきた。サンスクリット語で謎を意味する名を与えられたその生き物と〈僕〉が送る、ひと夏の物語。第32回泉鏡花賞受賞作。
『向日葵の咲かない夏』 道尾秀介 新潮文庫 710円(税別) 夏休み前の終業式を欠席した級友S君の家を訪れた小学生のミチオは、彼が首を吊って死んでいる姿を目撃。その死体は忽然と消えてしまうが、その後、彼はある生き物に姿を変えて現れ、「僕は殺されたんだ…
2020/8/12
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三日間の幸福 (メディアワークス文庫) / 感想・レビュー
寂しがり屋の狼さん
人生に勝ち負けは無いと想うけれど…誰よりも富と名声を手にした人の人生も、誰よりも長生きをした人の人生も『クスノキ』と『ミヤギ』の過ごした3日間には敵わないのでしようね(*^^*)原題は『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で』だったそうですが…【三日間の幸福】でなければ手に取らなかったかも(笑)(*>∀<*)
2020/02/11
た〜
【ストーリー重視型】三日間の幸福については一切描かれていない。物語の前半は読むのが辛いほど救い様がない展開。だがいつの間にか幸福に過ごしていたことに気づき、はたから見れば滑稽な行動をするうちその幸せを確かなものにしていく。結末はすっかり読めてしまうけれど、それでもその結末に納得してしまう説得力がある。メディアワークス向きのストーリーであり映画向きのストーリーでもある
2014/01/02
扉のこちら側
2018年233冊め。無気力系で周囲からの人望もない主人公に最後まで心寄せることができずに読了。最後の三日間という設定や、物語のプロットは面白いと思うので好みの問題であろう。致死率100%の人間の寿命をそれでも売買するという超越した存在は何なのかと気にしてしまうのが私の駄目な点だったろう。
2018/06/29
ばたやん@かみがた
前半、自意識過剰で他人と必要な関わりをして来なかったが為に、己れの存在価値のなさを思い知らされる主人公が見ていられなかった。後半、かなり強引な展開と手段で“三日間の幸福”を勝ち取る所は、早すぎて置いてけぼりを食らった感じがする。読後感は悪くはないのだが…。
2018/08/26
giant★killing
単巻で考えると今まで読んできた小説の中で一番好きかもしれない…。内容は主人公クスノキは二十歳にして既に自分の今までの、そしてこれからの人生に絶望していた。そんな中、寿命を買い取ってくれる店の話を聞き興味本意で査定してもらうと、なんと彼の人生はたったの三十万円の価値しかなかった!半ば自暴自棄気味に寿命の大半を売り払ったクスノキは残り三か月を監視員ミヤギと共に過ごすことになるが…。誰にも愛されず記憶されず三十年と三か月をのうのうと過ごすか、ほんの少しだけの、でも確かにささやかな幸せがある三か月を過ごすか…。→
2015/09/25
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