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ばんば憑き

ばんば憑き

ばんば憑き

作家
宮部みゆき
出版社
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日
2011-03-01
ISBN
9784048741750
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ばんば憑き / 感想・レビュー

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ドナルド@灯れ松明の火

宮部さんいい作品を選び抜いたなぁ。「坊主の壺」少し怖い。「討債鬼」あんじゅうの利一郎が登場。解決したと思ったら・・すごく怖い。「ばんば憑き」我儘な新妻の話と思いきや人の心の奥底に秘めたはずの思いが迸って・・これまた怖い。「博打眼」うまい!宮部さん真骨頂。狛犬の阿吽さんと犬張り子の活躍が目に浮かぶ。政五郎親分が登場する、子供たちと一緒に影踏みを遊ぶ「お文の影」と、加奈と仲の良い猫又お玉の「野鎚の墓」が特に良かった。どちらも切なくて涙が出そうになる。子供の悲しい幽霊話では宮部さんの右に出る者はいない。6編皆◎

2012/03/19

文庫フリーク@灯れ松明の火

表題作は反魂の術の一種でしょうか。想像すると一番ぞっとします。この作品のみ荒涼感漂う結末。他5編は他作品とのリンクも楽しくて、後味の良い江戸前テイスト。影を送る左次郎・吉三。しょうたろう導くしの。宮部さんが重きを置くのは、やはり人の情や機微ですね。登土岐さざれの阿吽さんには、またお会いしたいです。『みやべさ、けもおだへいらなぐって、がんじぃよまっておらんじょ』(宮部さん今回も私はつつがなく楽しく読ませて頂いております)

2011/06/25

Aoki

しみじみと、本を読むことをゆっくり楽しめる本。不思議な話、楽しい話、涙の話、人情の機微のいろいろ。そして宮部みゆきの子どもたちは本当に可愛らしくってたまらない。元気でけなげでたくましい。どうも最近は「ああ、また江戸ものか、どうしようかな」となる傾向が多かったけれど、認識改め。やっぱりいいね、と。お玉より阿吽さんに会ってみたい。でも何言ってるかわかんないか。

2012/05/19

藤枝梅安

表題作を含めた6編の短編集。軽快なタッチで描かれているが、それぞれが、思いを残してこの世を去った者たちの魂の行方を考えさせてくれる。「業」とか「欲」だけでは言い表せない、複雑に絡み合った人の心。絡まったままで体だけが無くなる。絡まった情念が残る。思いを残して命を突然絶たれた魂が残る、魂が形を変え、形を借りて思いを伝える。それは江戸の人々にとっては当然のことだったのかもしれない。世界に目を向ければ、幼くして命を奪われる魂たちはおびただしい数に上る。そうした魂たちが天変地異をもたらす。考え過ぎだろうか。

2013/08/25

れいぽ

江戸と宮部さんの文章の相性の良さは群を抜いてますね^^おでこや青野先生も登場する短編集、引き込まれました!「あやし」中の「灰神楽」のナゾ解き編「お文の影」の哀しさ、「討債鬼」のラストの業の深さ。人情を際立たせる何かが江戸にはあるのでしょうね。身分制度や疫病など生きにくい時代であった江戸。でも人間の持つ力強さ、したたかさ、優しさが読後感として残ります。「野槌の墓」のお玉さんとその仲間たちにはまた会いたいですね~^^

2011/04/26

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